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鬼滅~甘い恋の話~時透無一郎、冨岡義勇★R18

第63章 冨岡義勇の葛藤〜冨岡義勇


屋敷に辿り着くと、そこには任務の疲れも見せず、端然と座る義勇の姿があった。

「義勇さん…」

傍らには、共に任務をこなした胡蝶しのぶが、親しげに微笑みながら語りかけていた。


「お疲れ様でした…冨岡さん。今回の共同任務貴方の不器用さには閉口しましたけれど、助かりましたよ」

「……あぁ」

短く答える義勇の視線が、不意にこちらに向けられた。

一ヶ月ぶりに合うその瞳。

ゆきの心臓は止まりそうなほど高鳴った。

「師範、お帰りなさい…」

駆け寄ったのゆきの声に、義勇の眉が微かに動いた。

しかし、義勇はすぐに視線を逸らし、冷淡な声を出した。

「あぁ…戻った。報告なら後で聞く。今は胡蝶と話している、下がっていろ」

その突き放すような言葉。

けれど、ゆきの首元——無一郎が執拗に指でなぞった、隊服で隠しきれない僅かな「跡」に、義勇の視線がほんの一瞬だけ、釘付けになった。

「冨岡さん?」

しのぶが不思議そうに覗き込んだ。

義勇は膝の上で拳を握りしめ、低い声で話した。

「ゆき…。襟元の跡は…何だ!?」

「あっこれは…その」

ゆきが、首元を手で隠した。

「何か怪我でもしたのか!?だが、お前は時透の屋敷にずっと居たのだろう?」

義勇が、ゆきの側までより襟を開こうとした。

「だ、大丈夫です!?」

ゆきは、襟元を押さえて見せようとしなかった。

しのぶが、ゆきに必死な義勇を見て少し腹が立った…。

「冨岡さん!?女の子の襟元を開こうなんて失礼ですよ。私が見ます」

しのぶが、ゆきに手を伸ばしたその時…

義勇がその手首を掴んで制止した。

​「冨岡さん?」
​しのぶの声に、いつもの朗らかな響きはない。

義勇は無言のまま、しかし拒絶の色を隠そうともせず、しのぶの手をゆっくりと押し戻した。
​「胡蝶、悪いが席を外してくれ。これは…俺と継子の問題だ」

​「問題、ですか。怪我人かもしれない相手を放置しろと? それに、今の貴方の様子は少し…いえ、かなり異常ですよ」

​しのぶの鋭い指摘に、義勇の肩が僅かに震えた。

彼はゆきから視線を逸らさぬまま、低い声で続けた。 

​「時透の屋敷で何があったか、本人に直接確かめる。頼む、ニ人にしてくれ」



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