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鬼滅~甘い恋の話~時透無一郎、冨岡義勇★R18

第61章 任務からの帰還〜時透無一郎 不死川実弥


部屋ではゆきの泣き声が、次第に小さく規則正しい寝息へと変わっていった。

泣き疲れて、不死川の胸の中で眠りに落ちてしまったのだ。

​「おい、寝ちまったのかよ」

​不死川は呆れたように息をついたが、膝の上の重みは決して離そうとしなかった。

ふと開いたままの部屋の入り口の扉に、気配を感じる。

​「そこに居るんだろ、冨岡」

​不死川の低い声が夜の空気に響く。

影から姿を現したのは、青白い顔をした義勇だった。

​「すまない…」

​「俺に謝ってどうする。この女に言え」

​不死川は、眠っているゆきの頭を大きな手で乱暴に、けれど慈しむように撫でた。

​「お前が諦めるなら、俺がこいつ貰おうか? もう手離したいから胡蝶と猿芝居したんだろ?」

​挑発的な不死川の瞳が、暗闇の中で鋭く光る。

義勇は、眠るゆきの穏やかな顔を見て、さらに胸を締め付けられた。

俺は勝手な男だ…こんなにも不死川に嫉妬している。

「お前には関係のない話だ。俺がゆきを見るから…ありがとう」

義勇は、そう言って不死川の膝の上からゆきを抱き上げようとした。

「おい。渡さねぇよ…目覚めるまで俺が抱いている」


そして、夜が更けていくが…義勇は部屋の端で壁にもたれて立ったまままだそこに居た。

「なぁ冨岡お前まだ行かねェのかよ?」

「行かない」

「俺ゆきと一緒に寝るわ」

「はっ!?何を?」

不死川は、ゆきを抱きしめながらベッドに寝転んでいた。

「おい。不死川起きろ離れろ!」

「はぁ?俺に指図するなあと静かにしろ…ゆきが起きるだろう」

義勇は、ベッドの側から離れなかった。

「…お前マジで見すぎだよ…」

「不死川いい加減ゆきを離せ」

「いや、見ての通りゆきがしっかりと俺を抱いてるから離れられない…それよりこいつ甘くて良い匂いするなァ」

義勇の顔が引きつっている事に不死川は気付いていた。
夜明け前不死川はようやく重い腰を上げた。

​「そんな大事なら中途半端に諦めるなよ!時透の事もあるだろうが貫けよ!俺は行くぜ…」

​そう吐き捨てて、不死川は名残惜しそうにゆきの髪に一度だけ触れ、部屋を後にした。

俺だって諦めたくないさ…だけど時透も真剣なんだよ…







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