第60章 消えゆく愛〜 冨岡義勇【R18強】
暫くして無一郎は、部屋に戻って来た。
「おかえり無一郎くん…」
「温泉どうだった?気持ち良かったでしょ。僕も入って来るね」
無一郎は、そのまま何も無かったかのように風呂場に行った。
義勇さんとどんな話したんだろう…。
疲れもあってゆきは、無一郎が出てくる前に眠ってしまった。
「起きて待っててくれてないし…」
髪を拭きながら無一郎がゆきの隣に座った。
「僕の事好きじゃないの…?ねぇゆき…」
すやすやと寝息を立てるゆきに話しかけた。
「大人な冨岡さんと居るほうが安心するの?」
唇を、指先でなぞった。
「もう僕のくちづけにはときめかないの?」
無一郎は、ゆきに布団をかけてあげた。
‐‐‐‐
「ゆき、ゆき」
「んっ…」
無一郎くんの声で目を覚ました。
「おはよう」
「無一郎くん?私寝ちゃったの」
「もう朝だよ」
無一郎は、すでに任務に出る用意を終えていた。
「そろそろ任務に行ってくるね。鬼が出る場所まで遠いから今から出るんだ。」
その時ゆきを無一郎が抱きしめた。
そしてくちづけをした…
唇が離れた時に無一郎は、悲しい表情をした…
「もうくちづけしてもドキドキしない?」
「無一郎くん?」
「嫌なだけなのかな?」
無一郎くんがあまりに切ない顔で笑顔を作るから…私は戸惑うしかなかった…。
今から鬼を倒しに行くのに…無一郎くんにそんな表情をさせる私は最低だ…。
「嫌じゃないよ。いつも優しく抱きしめてくれてありがとう。」
その言葉に、無一郎はこみ上げてくるものがあった。
「行ってくるね。」
無一郎は、ゆきに手を振って部屋を出て行った。
自身も宿を出る身支度をして宿の門に向かった。
すでに義勇が立っていた。
「おはようございます。」
「おはよう」
それだけ言って義勇は、黙った。
「あの…昨日は無一郎くんが急に隊服返しにおじゃましてしまいすみませんでした。」
「ああ」
‐‐‐
ー昨夜ー
「手紙?」
「羽織のお礼の後に、婚約の事は自分は納得していないまま話が進んでいると書いてあった。」
「お前が勝手にお館様に了承を得たのか?」
「冨岡さん僕はゆきが居ないともう無理なんです」