第59章 寒い日の贈り物〜時透無一郎 冨岡義勇
「悪いけどゆきの隣は僕のものだから」
無一郎は、三田からゆきを奪い取った。
「あれ?何その隊服?大きくない?ってボタン柱のじゃない?」
「あの…これは…」
義勇が、ゆきの代わりに答えた。
「俺のを着させているゆきの隊服は鬼に切り裂かれた」
「冨岡さん…あっちで隠達に指示出してたんじゃないんですか?」
無一郎が、ゆきを自身に抱き寄せ鬱陶しそうに言った。
「今日はゆきは、僕が泊まっている藤の花の宿に連れて帰るんで」
「いや…俺達も今日はそこでどっちみち泊まることになった。」
少ししてみんなで宿に移動した。
無一郎は、ゆきの手を引き自身の部屋に連れて行ってしまった。
「無一郎くん、ちょっと待って」
「何?まさか冨岡さんと同じ部屋で休みたいとか言わないでよ」
「ち、違うよ。隊服返したいだけ」
ゆきを見るとぶかぶかの隊服を上に着ていて見ると不愉快になった。
「確かに…返したらすぐに戻ってきてよ」
「わかった!ありがとう」
義勇の部屋が分からずうろうろ廊下を歩いていた。
「どこの部屋なんだろう?」
その時近くの部屋から手が伸び中に引き込まれた。
驚いて振り向くと義勇がゆきを後ろから抱きしめていた。
「何故廊下をうろうろしている?」
「あ、あの隊服返そうと思って。さっき隠の人に新しい隊服頂いたんで…義勇さんシャツだけで寒いし…」
「では、返してもらおう」
義勇が、ゆきのボタンを一つずつ外し始めた。
「ちょっとちょっと待ってください」
ゆきが義勇の手を掴んだ。
「なんだ?」
「あの…よく考えたら下のブラウス切れたままでした…。新しいのに着替えてから今着ている物をもってきます」
部屋を出ようとした時に義勇に抱き寄せられた。
「明日の朝でいい。返すのは」
「で、でも…」
「もう部屋に来るな」
ゆきが、泣きそうな顔で言った
「何度も来られると迷惑ですよね…」
すると抱きしめる力が強くなった…
「違う…お前を時透の元へ行かせたくなくなるからだ。ずっと抱いていたくなるからもう来るな…」
そう言ってゆきを解放した…。