第59章 寒い日の贈り物〜時透無一郎 冨岡義勇
ゆきは、稽古に身が入らなかった。
そんなゆきに義勇は気付いて、まだ体調が悪いと思っていた。
休憩中義勇が、ゆきの元へ行った。
側に来た義勇を見てまだ羽織のお礼をしていないことに気付いたゆきは、まずお礼をした。
「あの、この羽織ありがとうございました。」
「ああ」
素っ気ない返事だった。
「体調は…いいのか?」
目も合わせずに質問された。
「はい」
‐‐‐‐
午後からの稽古で三田と手合せをしている時にゆきは、とうとう怪我をしてしまった。
「痛っ…。」
「大丈夫か?ゆきすまない!」
三田がいつものように全力で打ったところゆきが受けきれず竹刀が折れて手首を殴打してしまった。
義勇は、冷たく言い放った。
「お前は、今日はもう帰れ怪我するだけだ」
「…はい…」
どうしたんだゆき…まだしんどいのに無理して稽古に来たのか?
元気がない…気になって仕方ない…。
帰れと言ったがあんな調子で一人で帰れるのか?
だが時透が居るから俺の出る幕ではないか…
ゆきの帰り支度をしている後ろ姿をじっと義勇は見つめていた。
‐‐‐‐
屋敷に戻ったゆきは、無一郎の居ない部屋に一人戻った。
昨夜の事を思い出した
無一郎くんなりに、私のお誕生日を祝ってくれて…大事に思ってくれているのは凄く伝わってる
なのに、私は義勇さんに気持ちが向いてるからって拒んで、頬まで叩いてしまった。
無一郎くん…任務大丈夫かな?危ない目にあってないかな?
それから五日程経った。
ゆきは、気を引き締め稽古はきちんとこなしていた。
義勇は、相変わらずゆきとは稽古以外の会話は無かった。
そんな義勇を見てゆきも、もう義勇へ向いた気持ちは諦めたほうがいいと段々思いはじめていた。隠に預けた手紙も読んでいるのか気になった
三田ともあんな事が、あったが二人はすっかり前の友人関係に戻れていた。
「ゆきその羽織は、柱からの贈り物だよな?」
中村が、ゆきに聞いてきた。
「うん。そうだよ」
すると三田が、言った
「柱と全然話してなくないか?お前最近」
「あっ…うん。」
義勇は、稽古を終え部屋に戻るところだった。