第59章 寒い日の贈り物〜時透無一郎 冨岡義勇
「もう…やめて…無一郎くん…」
「嫌…やめないよ」
「あっ…あっ…やだ」
「でも、もう君…いきそうでしょ?」
体は勝手に反応しちゃう…ダメだ…嫌なのに…
も、もう…
ゆきの体が波打って力なく前に倒れた…。
肩で息をしながらうつ伏せになったゆきの背中に無一郎は、唇を合わせた。
「ゆき」
抱き上げて無一郎が、自分の方にゆきの体を向けた瞬間…
パチン///
泣きながらゆきが、無一郎の頬を叩いたのだった。
「な、なに…急に…どうしたの?」
無一郎は、驚きを隠せずに叩かれた頬に手を添えている。
「や、やめてって頼んだのに…こんなの無理やりだよ」
ゆきが、泣きながら叫ぶように無一郎に言った。
「何でそんなに怒るの?なんで僕をそんな目で見るの?」
ゆきは、震えながら隊服を着始めた。
「な、何してるの?」
「帰る」
「帰るってここが君のいる場所だよ?」
着替えるゆきを後ろから抱きしめた。
「ごめんね…ごめん許して…だから行かないで」
ゆきは、落ち着いたのか大人しくなった…。
無一郎の方を見て言った。
「今日は、別々のお布団で寝てもいい?」
「もちろん」
‐‐‐‐
少しして隣からゆきの寝息が聞こえてきた。
近くに行って僕は、顔を見た。
泣き腫らした目で、眠っている…
傷つけちゃったね…さっきのでもっと冨岡さんを好きになっちゃったのかな?
僕はやっぱりまだ子供なんだ…君のことを想うと冷静にいられないし…
君を取られるのが、居なくなるのが恐怖でつい体を求めてしまう
体で繋がって安心してる。
ゆきのおでこにくちづけをした。
「ごめんね…」
‐‐‐
朝目を覚ますと無一郎は、居なかった。
義勇さんに貰った羽織の上に紙飛行機が置いてあった。
準備を終え義勇の屋敷に向かおうとした時、隠に声をかけられた。
「ゆき様今日から柱が10日ほど任務に出られますが聞いていますよね?」
「え?知らないです」
「柱言ってなかったんですか?」
「何も」
「今回の任務は、場所も遠く沢山の里の人が襲われているようで大変な任務になりそうです。婚約されたしてっきり、お話されていると思いましたよ」