第56章 クリスマス前の任務〜冨岡義勇 時透無一郎
ゆきが、開いたブラウスを両手で覆っている…。
「怪我でもした?見せて」
無一郎が、手を伸ばすと体をひねりゆきは隠した。
「見せてよ…」
「周りに隠とか人が沢山居るから嫌だ…」
ゆきに、言われてそれもそうだと無一郎は、納得した。
「じゃあ部屋に入ろうか」
無一郎は、ゆきの肩を抱いて部屋に向かおうとしたがゆきは、それを拒んだ。
「し、師範が指揮を取ってるのに勝手にこの場を離れられないよ…」
「何言ってるの?俺も柱だって事忘れてない?」
「えっ?」
「柱の命令は絶対だからね。部屋で怪我を見せろ。これ命令」
どうしよう…怪我なんかしてないのに…胸には三田さんに付けられた跡がいっぱいあるのに…
近くの誰も居ない部屋に二人は入った。
無一郎が、手を伸ばし胸元を開いた…。
無数に散らばる唇の跡を見た…
「はっ…なるほど…どうりで見られるの嫌がるわけだ」
「あの…無一郎くん」
「誰にされたの?冨岡さん?それにしても荒いな…ブラウスのボタン引きちぎられているじゃない?」
バン////
無一郎は、拳で壁を殴った。
「君は拒んだの?」
「あの…これは…」
「受け入れたの?」
「違うの…」
「何が違うの?」
今にでも部屋から飛び出して義勇の元へ行きそうな無一郎の腕を掴んだ
「離せよ」
「義勇さんじゃない…」
無一郎は、鼻で笑いながら言った
「冨岡さん以外誰がこんな事するの?」
「あの…」
「ほら口籠ってる…冨岡さんなんでしょ?」
「…三田さんなの…」
無一郎の動きが止まった
「えっ?あいつが?」
「でも、途中で辞めてくれたから何もなかったんだよ」
無一郎は、ゆきを抱きしめた。
「前にも言ったよ…君は隙があり過ぎるって。もうそんな人達と同じ屋敷に住まわせたくないな…」
無一郎は、ゆきをぎゅっと抱きしめた。
「あんな感じの凛がまだ居るけど…僕の屋敷に戻ってきて。」
「そ、それはおかしいよ…私は師範の継子だし」
「わかった…じゃあ僕の婚約者になってもらう」
えっ?ちょっと待ってよ無一郎くん…
「冨岡さんの継子のまま稽古も付けてもらえばいい。だけど僕の婚約者になってほしい。」
無一郎の目は真剣だった…。
「僕の屋敷で一緒に暮らそう」