第55章 白い雪〜時透無一郎 冨岡義勇【強R18】
ゆきの部屋についた。ゆきは、僕に何も話してくれない。
ゆきの部屋には、沢山僕の作った紙飛行機が飾られていた。
「ゆき…凛の事だけどごめんね。それとやはりまだ落ち着かなくて何するか分からないから暫くは…あの僕の屋敷に置いてもいいかな?」
「だめって言っても置くでしょ?」
半分諦めた笑顔で僕を見てくる…
「紙飛行機ちゃんと飾ってくれてるんだね」
「…うん」
紙飛行機の隣に桜色の髪飾りが置いてあった。
「ゆきに似合いそうな髪飾りだね。」
無一郎くんを、見ると義勇さんに買って貰った髪飾りを手に持っていた。
「う、うん」
「こういうの好きなの?」
「うん…好き」
「十二月五日誕生日だったんだよね?食事会の時に冨岡さんが言ってたから…もう終わっちゃったけど君に何か贈りたいな」
無一郎は、ゆきを抱きしめた。
そして両頬に手を添えてくちづけを落とした。
「嫌いにならないでね」
無一郎が、瞳を潤ませていた…
「何でそんな事言うの?」
「だって…あんな大きい事言ったのに結局凛に出て行ってもらえなかった。」
「仕方ないよ、あんな取り乱されたら心配になるよ」
凛に叩かれた頬が赤く腫れてとても痛々しい…そんな姿で僕に笑顔を向けている。
「本当に嫌いにならない?」
「どうしたの?無一郎くんらしくないよ」
無一郎は、力いっぱいゆきを抱きしめた。そしてゆきの髪をかき分け首筋に唇を落とし吸い付いた。
「む、無一郎くん!?」
拒むゆきを振り切り三箇所に跡を残した…。
「不安だから…付けた」
「こんな見える所に…困るよ」
「わざと付けた」
ゆきが、明らかに不機嫌になるのがわかった。
「冨岡さんに取られそうで不安なんだ」
ゆきの鼓動が速くなる。
「…だ、大丈夫だよ…」
「僕が一番じゃなくなってきてるよね?」
胸がぎゅっと痛む…そんな事ないよ無一郎くん…ってすぐに、言えない自分がいる。
「僕は君が一番だよ…」
無一郎くんの瞳が不安で揺れていた。どうしてこの時不安を取り除いてあげる言葉をかけられなかったのだろう。
私は何も答えず黙ったままだった…
無一郎は、不安な表情で帰って行った。