第54章 十二月の朝〜時透無一郎 冨岡義勇【微R18】
そこに後を追ってきた義勇が現れた。
「ゆき戻るぞ…」
三田の腕の中でトロンとした目でこちらを見ていた。
「何してる?行くぞ」
動かないゆきの手を取ろうと義勇が近付いた
「無一郎くんは?」
「時透?」
「無一郎くんが来てくれらいと私三田さんから離れらい!」
そんな事を言いながら三田にしがみついた。
「…時透の所に連れて行ってやるからおいで」
義勇が、ゆきの目の前にしゃがみ両手を開いた。
三田はそんな様子の義勇を見たこと無かったので驚いた。
ゆきは、三田の腕の中から離れて義勇の腕の中に飛び込んだ。
「飲み過ぎだぞ」
義勇が、ゆきを抱きしめながら頭を撫でた。
ゆきは、相当酔っていた…なぜなら俺の事をまた…
「義勇…」
呼び捨てにした…。
三田が二人を、見て驚いている。
「ぎゆうなら無一郎くん連れてこれるでしょ…」
「お、おい柱に向かってそんな口のきき方…駄目だろ。」
三田が、義勇の様子を伺いながらゆきに注意した。
「慣れている」
な、慣れている?柱の事をもしかして二人の時は呼び捨てで呼んでるのか?
「時透のいる所に戻ろう」
柱は俺の目の前で大事そうにゆきを抱きかかえ
そのまま連れて行った
「あんなの勝てっこないよ…」
‐‐‐
「義勇…わたしは魅力らいのかな?」
呂律がまわらない口調でゆきが義勇に聞いてきた。
「魅力はある」
顔を赤くしながらも義勇は、きっぱり答えた。
ゆきは、笑いながら義勇の顔に手を伸ばした。
「ぎゆう赤くなってる〜可愛い」
そんな無邪気なゆきを見ているとこのまま部屋に連れて帰りたくなくなった。
空き部屋があったのでそこに、ゆきを連れて入った。
「あれ?真っ暗…」
「ん?」
「こんら暗い所連れてきて〜ぎゆう変な事しようとしてる〜」
ゆきは、笑いながら義勇の頬を突付いた。
「しようとしている」
「え?」
「酔うと可愛い…」
真っ暗な部屋で二人きりになった…
酔いながらもゆきは、まずいことになっているのは理解していた。
「義勇…?戻ろう」
「くちづけしてもいいか?」
「だ、だめ」
「かわいい…」