第51章 愛おしい四日間〜冨岡義勇【R強強】
ゆきが、今にも泣きそうな顔になっていた。
「あんなに、私を無視してたじゃないですか?話しかけても無視…顔見ても稽古以外では無視…私の事嫌いなんですよね…?なのに今はなんで…」
「ゆき違う…嫌いだなんて…」
「やっぱり私の…私の…体が好きなだけですよね?」
涙をいっぱい瞳に溜めて俺のことを見ていた…。
違う…俺は…どうしようもないほどお前が好きなんだよ…。
好きだから抱きたいんだよ…体が欲しくなるんだよ…
「無視した事はわるかった」
ゆきは、涙をいっぱい溜めて無一郎の作った折り紙を胸に抱きながら俺を見ていた。
「名前呼んでも返事すらしてくれなかったですよね?だけど私の体は欲しいんですよね」
「欲しい…」
「何言ってるんですか?私達継子と師範の関係ですよ?」
「俺の言葉が足りないことは自覚している…好きだからお前の体も欲しいは、いけない事なのか?」
「私は、無一郎くんが好きなんです。義勇さんとそんな事出来ないです」
義勇は、部屋の隅っこにいるゆきの前まで歩いて行った。
「この前…お前はあの隠と体を交えたと勘違いしていたが相手が俺と知ってよかったと言っていたんじゃないのか?」
ゆきが、義勇と目線を外した…。
「そ、それは…」
義勇が、ゆきの目の前に迫る。
「俺の事少しは思ってくれているんじゃないか?」
義勇の両手がゆきの頬を包む…。
「俺に無視されて悲しかったんじゃないか?お前が足を挫いた時俺の部屋で眠ってしまっただろ?
あの時に、眠りながら俺の名前をずっと呼んでいた…久しぶりに呼び捨てで呼ばれた」
義勇の顔がゆきに近づく…
「私が?ぎ、ぎゆうって…?」
義勇が、ゆきの唇を親指でなぞった。
「そうだ」
私が…そんな事を言ってただなんて…。
「取り敢えず義勇さん離れてください」
ゆきは、義勇を押し退けた。
「ご飯食べましょう」
義勇は、渋々自分の御膳の前に戻った。
‐‐‐‐‐
その後も部屋の中は静かだった。義勇がその静けさを終わらせた。
「ゆきお風呂に入って来い。他の屋敷の者はもう寝ているだろう」
ゆきは、何も言わずに急いで部屋を出て行った。