第51章 愛おしい四日間〜冨岡義勇【R強強】
次の日の早朝
義勇が、目を覚ますとだいぶ体が楽になっていた。隣には畳の上で浴衣姿で手ぬぐいを持って寝ているゆきの姿があった。
ゆきに手を伸ばそうとした時、バチッとゆきの目が開いた。
俺の伸ばした手を見て慌てて飛び起きて浴衣の開いた前を閉めていた。
すごく、警戒されている…。
「おはようございます!熱下がったみたいですね」
変な空気が部屋中に流れていた…。
「そうだ!ぎ、義勇さん歩けるなら今は早朝なので皆寝ていると思うのでお風呂行ってきたらどうですか?汗たくさんかいてたし」
「…わかった」
ゆきは、二人きりの空気感に絶えられなかった…。
暫くでも義勇が、部屋を出てくれる事に安心していた。
安心したら昨夜きちんとは、眠れていなかったので畳の上でまた眠ってしまった。
ゆきが気が付いた時はすでに夕方だった。
ゆきが目を覚ますと誰かの胸に抱かれて布団の中にいた。
「ん…無一郎くん?」
あれっ私…今日無一郎くんのお屋敷に泊まったっけ…?
…ん?違う…義勇さんの看病していて…そして…
ゆきは、慌てて目を開いた。
目の前には、義勇の顔があった。
「あ、あ、あ、すいません…!」
急いで布団から出ようとしたが、義勇の抱きしめる腕は緩まなかった。
「寒いからこのままで」
義勇は、ぎゅっと抱き寄せた。
「こ、こんなの駄目です!良くないです…」
腕から逃れようとゆきは、もがいた。
その時だった…
「ゆき!?会いに来たよ」
ふすまの向こうから、無一郎の声がした。
ゆきは、義勇の手の中から必死に出ようとした。
「無一郎くん!」
「冨岡さんは元気になりましたか?」
義勇は、逃げようとするゆきを後ろから抱きしめながら無一郎に答えた。
「まだ体調は良くないが熱は下がった」
ふすま越しに無一郎は話し続けた。
「ゆきに、手を出したらただじゃおかないですよ」
「こんな体調なのにそんな気にはなれん」
「本当に許さないですよ」
「あぁ…」
ゆきは、やっとの事で義勇の胸の中から抜けれた。
ふすまにうつる無一郎の影の前に行った。
「紙飛行機ありがとう…」
「今日も折ってきたよ薬と一緒に置いておくね」