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鬼滅~甘い恋の話~時透無一郎、冨岡義勇★R18

第49章 無視〜冨岡義勇 時透無一郎


蝶屋敷からの帰り道義勇は、ゆきを背負って歩いていた。

ゆずが、ずっと義勇に話しかけていた。

「今度柱の好きな料理を作ります!食べてくれますか?」

「ああ」

「やった!」


ゆきは、口を開くことなく俺の背中におぶられていた。

俺の首に腕が遠慮がちに回されていた。

俺の首筋にゆきの頬あたりが当る…。やけに密着しているので甘い香りもしてくる。

「柱ゆきさん呑気に寝てますよ」

「構わない」

縁側で、時透と別れた後少しの間泣いていたから泣き疲れたのであろうとすぐに思った。


「んっ…?」

あれ…?私寝てた。ここは何処だろう?薄暗く行燈の明かりが灯っていた。

起き上がると、義勇が机に向かって書き物をしていた。

どうやら義勇の部屋らしい

「えっ?あれっ?義勇さん?私…えっ?」

こちらを、ちらっと見たがすぐに書き物を再開した。

「すみません…帰り道に寝ちゃったみたいで…」

起き上がろうと足に力を入れた…「痛いっ…」

激痛で、布団の上に倒れてしまった。

義勇は、ちらっと目を向けたがまた無言で書き物を続けた。

「あの…義勇さん…」

「……」

ずっと私を、無視し続ける…。歩けないし無視され続けるし布団の上でゆきは途方に暮れた。

もう意を消して這って部屋まで戻ろうと思いそのまま動き出してふすままで行った時に、義勇に抱きかかえられ
無言で、布団に戻された。

「義勇さん?部屋に戻りたいです」

「…」

また返事はなく見えていないかのように、書き物をはじめた。

「義勇さん!」
「…」
「部屋に戻りたいです」
「…」
「何で口きいてくれないんですか?」
「…」

ゆきは、悲しくなってきた…意味が分からないからだ。

ずっと書き物をしたままで無視をつづけている。

部屋は薄暗いししのぶさんに処方された薬に鎮痛剤と睡眠剤も混ざっていたせいか眠くなってきた…。

意識も曖昧になる…眠くなりながらもゆきは、名前を呼び続けた。

「義勇さん…」

「義勇さん」

「ぎゆうさ…ん」

義勇が、ふとゆきの方に目をやった。目を閉じながら眠そうな声で俺を呼んでいる…。

「ぎゆうさん…」

「ぎゆうさ…ん」

「……ぎゆう」

義勇は、ドキっとした…。

「ぎゆう…」







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