第49章 無視〜冨岡義勇 時透無一郎
足首の手当てだからズボンの裾をたくし上げたら手当て出来るのに…と思いながらも丁寧に手当てしてくれた義勇に文句は言えず黙ってされるがままだった。
「あ、ありがとうございます」
隊服のベルトを、締めながらゆきは少し恥ずかしそうに義勇に言った
反応は…なかった
やはり無視されているのは確実だった。
次の日〜〜
お稽古は、ゆきは見学となった。みんなの様子を座って見ることになった。
あのゆずって言う隊士は相変わらず義勇さんに、ずっとベタベタしていた。
竹刀の振り方など、後ろから両手で持ってもらうと赤くなったりして稽古に集中していない事が見ていてわかった。
稽古は、いつもより早く切り上げられた。
そして義勇が、ゆきの元に来た。
「今から蝶屋敷に行く。足を胡蝶に診てもらえ」
先を行く義勇に、ついて行こうとした時に脇を抱えられた。
あのゆずと言う隊士だった。
「あの柱、ゆきさん大変そうなんで私も付き添います」
三人で、蝶屋敷に行くことになった。
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蝶屋敷に着くとしのぶさんが、すぐに足首を診察してくれた。
「あら…だいぶ腫れてますね…骨にひびが入っているかもしれません。出来るだけ安静にしてくださいね。」
「ひびですか…わかりました」
病室には、義勇とゆずも入っていた。
「そちらの隊士さんは?」
「ああ屋敷で五人隊士を預かっていてそうちの一人だ」
「あっ!む、蟲柱様ゆずと申します」
「次から次へと、現れますね…」
しのぶは、ゆきを見た。
「その足で時透くんのお屋敷に通うのは駄目ですよ。」
ゆきは、がっかりしたような表情を見せた。
「今ちょうど時透くんも蝶屋敷に来てますよ。会ってみてはどうですか?」
さっきまで、がっかりした表情をしていたのにゆきの顔が明るくなった。
「義勇さん会ってきてもいいですか?」
義勇は、素っ気なく頷いた。
ゆきが、出て行った後部屋には義勇、しのぶ、隊士のゆずが取り残された。
「冨岡さんあからさまに態度に出すぎですよ。ゆきさんに冷たいし」
「…それより胡蝶あの薬についての話をしたい」
「それ私も話したかったんです。すみませんがゆずさんは、退出してください。柱同士の大事なお話なんで…」