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鬼滅~甘い恋の話~時透無一郎、冨岡義勇★R18

第44章 消えた薬〜冨岡義勇 時透無一郎


今夜は雨が降っていた。雨音だけが響く会話もない部屋の中…。

俺の腕に、湿布を貼ってくれるゆきの顔をじっと見つめた。

この時間が、永遠に続いてほしいと願った。

ゆきから甘い香りがしてくる…俺を惑わす…。

気が付いた時には、俺は…ゆきを組み敷いていた。

ゆきは、目も合わさず遠くを見ているだけだった。
頬に手を添えて親指で唇をなぞった。
ゆきが、俺の体を両手で押して起き上がった。

「おやすみなさい」

そう言って行ってしまった…。


〜〜

無一郎は、ゆきの夢を見ていた。夢の中では二人は抱き合っていた。柔らかいゆきの体に安心していた。
「無一郎くん…無一郎くん…」
ゆきの声がする…。夢の中なのか現実なのか?
わからないが、目の前には確かにゆきがいる。
また僕は、夢中でゆきを抱いた…。
何度も何度も果てても抱き続けた…。

「ゆき大好きだよ…」

「私も無一郎くん」

翌朝酷い頭痛で、無一郎は目覚めた。

頭を抑えて起き上がった。

「あれ?僕浴衣着てない?」

隣には…

また裸の凛が横たわっていた。

無一郎は、頭を抱えた。なんで?なんで?僕はいったいどうしちゃったんだ…
昨日は…ゆきを
よく考えたら分かるのに…ゆきが居るわけないじゃない…
僕どうしちゃったの…

凛が目を覚ました。
「無一郎くん おはよう。昨日凄くてびっくりした」

その言葉を聞いて無一郎は、全身鳥肌がたった。
無言で、浴衣を羽織り部屋から出て行った。

〜〜

義勇の屋敷では朝早くから、隠とゆきが食事の用意をしていた。

「ゆき様料理が上達してきましたね」
「本当ですか?ここでお手伝いさせて貰ってから色々覚えました。気も紛れるしありがとうございます。」
「霞柱様にも作って差し上げたらどうですか?」

ゆきの手が止まった…。

無一郎くんは…私の料理なんて…食べたくないよ…きっと


義勇は、顔には出さないがゆきが作ったと聞いたからなのかすごく沢山朝ごはんを、食べてくれた。隠も驚いた。
義勇は、ゆきに一言だけ言った。

「また作って欲しい」

ゆきは、その言葉になんだか胸がぎゅっとなった。


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