第43章 新たな波乱〜冨岡義勇 時透無一郎
無一郎くんが、変だった…。何でかな?私の事嫌いになったのかな?
そんな事を考えながら歩いていたらすっかり遅くなった。
屋敷に着くと、門の前に隠や隊士達それに義勇さんが待っていた。
台所で話した隠が、走ってゆきに抱きついた。
「よかったです(泣)僕が行かないといけなかったのにゆき様に蝶屋敷まで行かせちゃって。遅いし心配していたんですよ…」
ぎゅっと抱きしめて貰えた事が、なんだか嬉しくて涙が出た…。
「ゆき様?ど、どうしちゃいました?」
「うっ…うっ…」
ゆきは、隠に抱きついて泣いていた…。本当は、無一郎くんにこうしてもらいたかった…。
義勇は、ゆきの様子がおかしい事に気付いた。
〜〜〜
夜いつもゆきが、座っている縁側を覗いてみた。
ぼんやり星を眺めているゆきが居た。
時々涙を拭っていた。
「ゆき」
義勇の声に驚いた様子のゆきだったが、すぐに表情を変えた。
「師範…何でしょう」
ゆきに、一歩近くとゆきは俺と距離を取って離れた。
かなり警戒されている…
「今日何かあったのか?」
「…ないですよ。失礼します」
ゆきが、立ち上がり部屋に戻ろうとしたのを義勇が止めようとした時に、昼間の打撲部分が痛み思わず声に出てしまった。 「いたっ…」
すると、ゆきがすぐに振り返って俺の側に来た
「ごめんなさい…大丈夫ですか?あっ湿布薬まだ貼ってませんでしたね…」
怪我になるとゆきは、すごく優しかった。
「お前の部屋で手当てして欲しい…」
ゆきは、少し考えたが承諾して義勇を部屋に招き入れた。
義勇が羽織を脱いだ。「ボタンを、外すのが痛いから外してほしい」
ゆきは、義勇の隊服のボタンを一ずつはずしていった。
中のシャツのボタンを外していくと、たくましい体が現れた…
ゆきは、俺の顔を絶対に見なかった。
上着を、ゆきに脱がしてもらう時心臓が止まりそうなくらい胸が高鳴った。
時々素肌に、ゆきの指が触れるのがよりいっそう体を熱くした…。
前にかがむと、浴衣の胸元の中が少し見える…。あの日の夜を思い出してお前に、触れたい衝動に駆られる。