• テキストサイズ

鬼滅~甘い恋の話~時透無一郎、冨岡義勇★R18

第43章 新たな波乱〜冨岡義勇 時透無一郎


口づけを出来なかった…。いや…出来なかったんじゃない。
する権利がなかった。

ゆきが、目を開いて無一郎を見た。

「無一郎くん?してくれないの?」

泣きそうな顔で、僕に聞いてきた…。綺麗な桜色の柔らかそうな唇…
食べたいくらいかわいい…
だけど…

その時ふすまが、開く音がした。

「何してるの?」

凛だった。

ゆきは、凛によって無一郎から引き離された。

「もうゆきお姉様関係ないでしょ?無一郎くんと」

「関係ないって…そんな…」

「あれ?隊服スカートじゃないですか?ずっと師範の言いつけでズボンだったのに変えたんですね?」

「これは…まだ支給されてなくて…仕方なく…」

「そうなんですか?でも関係ないからどっちでもいいけど」

無一郎は、不機嫌そうにその場に立った。

「凛…やめろ」

「でも…」

凛は、無一郎の腕にべったりくっついて離れない。

久しぶりに会えたのに…無一郎くんに抱きしめてもらいたかった…。
なんだか様子が、変だ…。
義勇さんの所に行ったからやっぱり私の事嫌いになったのかな?

「僕達そろそろ帰るね。ゆきももう帰った方がいいよ。夜になる」

「…うん…」

ゆきが、寂しそうにしている。僕が素っ気ないからだよね…
下を向きながら部屋から出て行った。

「無一郎くん。夜は何食べる?」
「…さい…」
「ん?何?」
「煩い!」
凛は、いきなり怒り出した無一郎に驚いた。
「帰る」

無一郎は、蝶屋敷の門に出た所で重そうな荷物を持ったゆきが、一人歩いて帰る後ろ姿を見た…。

もう夜になるのにあの荷物持って一人で帰るのか…ゆき走るの遅いし…
鬼に狙われているのに…
大丈夫かな?
冨岡さんは?あの人何してるの?
なんでゆきは、一人なの?

無一郎の足が、ゆきの方に向かっていた。
すると凛に、腕を掴まれた

「無一郎くん…昨晩…私をゆきお姉様と間違えて抱きましたよね?言っちゃおうかな?ゆきお姉様に…」

遠くに見えるゆきが、荷物を重そうに持って歩いている…。

「どうせ冨岡さんが現れますよ」

無一郎は、じっとゆきの後ろ姿を見ていた…。

「僕は、馬鹿だよ…ゆき…」
/ 337ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp