第41章 狂った夜〜後編〜冨岡義勇 時透無一郎【R18強強】
そして強く抱きしめられた…。
「絶えられなかった…お前が抱かれている声が…最初は、そんな声を聞けば諦めがつくかもと思った。」
「義勇さん?」
「しかし、今抱きしめているこの体が時透に触れられている事に我慢できなかった…」
尚もゆきを、抱きしめる力が強くなる…。
「抱きなおしたい…」
「えっ?」
「時透から俺に上書きしたい」
「義勇さん…それは出来ないです」
「では、なぜここに来た?」
ゆきの、心臓がどくんと大きく弾けた…。
「なぜ俺の所に来た?」
「そ。それは」
「時透に夢中ならすぐに戻って抱きしめて貰いながら眠ればいいのでは?」
義勇は、ゆきの胸元から浴衣の中に手を入れた。
「あっ…」
「その声が今耳元で聞けて嬉しい」
「こんな事やっぱりだめです」
ゆきは、義勇から体を押して離れた。
「俺の事はどう思っている?」
義勇さんの事…義勇さんは…
「ただのお前の師範なのか?」
義勇さんは、私の…私の…
「わかりません…」
義勇は、肩を落としてしまった…。
「そうか…」
「ただ…前に私が、鬼と遭遇した次の日に、両親が恋しくなって朝からお墓に行った時に義勇さんが、そこに居て…お花を供えてくれていて…私の気持ちがどうしてこんなに分かるのかな?って…」
「ゆき」
「私が、お父様お母様に会いたいって義勇さんだけが分かってくれた…それがとても嬉しかったんです。信頼できる人だって思いました。」
義勇は、離れたゆきをもう一度胸元に引き寄せた。
「抱きたい…」
青く澄んだ目で、私を誘ってくる…。
「もう、戻らないと…無一郎くんが待ってます」
義勇は、ゆきを簡単に抱え上げ近くにあった椅子に座らせた。
「えっ?」
ゆきの帯紐を解くと、両手を後ろに束ねられて椅子に括り付けられた。
「義勇さん?何するんですか?」
「どうしても時透の上書きをしたい。許せ」
口元は、布で巻かれて声も出せなくされた。
ゆきの浴衣は、帯紐がなくなっているため前が開いた状態になっていた。
義勇は、ゆきの両足を持って椅子の上で開かせた。
ゆきは、恥ずかしさで顔を横に背けた。
手は固定され動けない。