第38章 秘密が露見する時〜時透無一郎 冨岡義勇【R強】
翌朝目覚めるとまだ隣には、ゆきが眠っていた。それに、僕にしっかりと抱きついて眠っていた。
いつもは、僕が君を抱きしめているのに…
僕の胸に手を回して、すやすやとまだ眠っていた。
「ゆき…」
顔を見ると涙の跡があった。
「泣いたのかな?」
少ししてゆきは、目を覚ました。
慌ててゆきは、起き上がった。
「急に起き上がるからびっくりしたよ」
ゆきは、浴衣を羽織っただけの姿で中は裸だった。
朝日に照らされたそんな姿は、また無一郎の男心を揺さぶった。
ゆきは、そんな自身の姿に気づいてなかった。
肩より少し長い髪を、かきあげながら言った。
「用意してお稽古行ってきます」
立ち上がり自室に戻ろうとするゆきの腕を掴み、組み敷いた。
「無一郎くん!?」
「一回だけ」
その言葉と同時に、口づけをされ胸や下半身を愛撫された。
「あっ…無一郎くん…だめ…か、甘露寺さんも起きてるかもしれない…し…あん…」
「君が声さえ出さなかったら部屋に入って来ない限りこんな事してるなんて、わからないよ」
払い除けようとも力では敵わないので、口を手で塞ぎ声を必死に我慢した。
暫くして無一郎が、達したところでやっと解放してくれた。
「ハァハァ…じゃあ、無一郎くん部屋に戻るね」
「待って」
「ハァハァ…何ですか?」
「その艷っぽい表情で部屋から出ちゃ駄目。あと少し待って落ち着いてから戻って、僕が先に部屋から出るから」
そう言いながら、さっと隊服に身を包み涼しい顔で部屋を出て行った。
〜〜〜
ゆきは、急いで義勇の屋敷に向かったがいつもの時刻より遅れて到着した。
「遅かったな」
義勇が、道場で正座をして待っていた。
「申し訳ありません。遅くなりました。」
ゆきは、慌てて稽古の準備を始めた。
「今日は、軽く手合せにしよう」
「はい…」
道場から出て、竹林の隣にある広い広場に向かった。
「昨日は、眠れたのか?」
義勇が、心配そうに訪ねてきた。
ゆきは、慌ててしまった。
「は、はい」
ゆきの顔を見ると、とても疲れて元気がないように見えた。
「そうなのか?疲れているように見えるが?」