第37章 甘い誘い…〜冨岡義勇 時透無一郎【R強】
ゆきは何度も達してぐったりしていた。
無一郎は、ゆきに腕枕をして髪を撫でていた。
「久しぶりにゆきを抱けた…」
ゆきは、息遣い荒く無一郎の方を向いた。
「凛の所からなぜ来たの?」
無一郎は、ゆきの事を組み敷いた。
「君に匂いをつけたくて…」
ゆきは、驚いた…。
「匂い?」
「うん」
「いつも冨岡さんからしてくるんだぁ」
「え?」
「ゆきの匂いが…」
「私の?」
「そう…前から微かにしてたげど最近はすごくしてくる」
「何でだろう?」
「なんで…?それ僕の口から言わせる?」
「稽古で何してるの?…打ち込み?手合せ?そんなので匂いつかないよね?」
「無一郎くん…?」
「何してるの?抱き合ってるよね?口づけしてる?体を触らしてるの?さっきした気持ちいい事もしてるの?」
「ま、待って!そんな事してない」
「じゃあ何で冨岡さんからゆきの香りがしてくるの?」
「………。」
「ほら、黙った」
ゆきは、答えに困り無一郎から目線を外した。
とにかくゆきを冨岡さんに取られたくない…それだけでゆきのとこに戻ってきた。
無一郎は、組み敷いていた体勢から起き上がりおもむろに隊服を着始めた。
「無一郎くん?どうしたの?」
「……」
無一郎は、黙ってどんどん隊服を着ていく。
「ねぇ?無一郎くん?」
「蝶屋敷に今から戻る」
ゆきは、驚いた…
「今から?もう夜更けだよ?」
「知ってる。凛が待ってる」
「やだ…行かないで無一郎くん…」
ゆきが泣きながら無一郎の腕を掴んだ…。
僕は、こんなにも泣きじゃくるゆきを置いていく…
目の前で泣きながら僕の腕を掴んでくる…ゆき
今から君を試したい
僕が戻って来た時に屋敷の前に冨岡さんが居たんだ…。多分まだ居るような気がする…僕が今屋敷を出たら冨岡さんはゆきに会いに来るような気がするんだ…
こんな夜更けに君を一人残して僕が蝶屋敷に行くなんて、君を大切に想っている冨岡さんなら心配になって屋敷に侵入してきそうだから。
もし何も無いならそれでいいし…
とにかく今から君がどうするか試したい…