第36章 逢引と移り香〜時透無一郎 冨岡義勇
長い時間義勇はゆきとの触れ合う行為を堪能していた…。
流石に長過ぎてゆきも息が続かなかった。
「ぎ、ゆうさん、もうやめ、て…」
ゆきは、立っていられず地面に倒れそうだった。義勇は、やっと辞めてくれた。
「すまない…。」
何も言わず抱きかかえて屋敷の中に入って行った。
「ゆきの部屋は何処だ?」
「えっ!?義勇さん?」
「大丈夫だ連れて行くだけだ」
義勇は、部屋を教えると連れて行ってくれて優しく降ろしてくれた。
「時透の所に行ってくる」
そう言い残し義勇は部屋を出て行った。
〜〜〜
蝶屋敷では、傷を負い眠っている凛の側に無一郎が心配そうについていた。
無理矢理家に帰らせていなければ鬼に襲われずにすんだのに…僕の責任だ…
凛の汗を拭いてあげ手を握ってあげた。
無一郎は、そのままベットに伏せて眠ってしまった。
夢を見た…ゆきが泣いている夢…だけど僕は何故か慰めに行けない
立ち尽くすそんな夢だった…
目が覚めた、その時微かにゆきの香りがしてきた…
安心する僕の好きな香り…
思わず無一郎は、香りがする廊下に出た…もしかしてゆきが来てるの?
目線の先に居たのは義勇だった…
ほら、やっぱりこの人からゆきの香りがする…
「冨岡さん…」
「どんな感じだ?あの子の傷は?」
「今は熱が出てますが命にかかわることは無いそうです」
「それでお前はしばらくここに居るのか?」
無一郎は、義勇に歩み寄った。
「冨岡さん、いい香りがしますね?」
「ん?」
「あなたから甘いいい香りがする」
「香り?」
「今日は、ゆきに稽古どれだけつけましたか?」
「今日?任務が入ったから出来てない…」
無一郎は、義勇にもっと近づいた。
「二人で稽古だと言って何してるんですか?」
「何が言いたい?」
「冨岡さんの体からいつもゆきの匂いがしてくるんですよ。稽古付ける時に抱きしめてますか?」
「ゆきは真面目に稽古に励んでいる」
無一郎は、じっと義勇を見上げて見た。
「ゆきは…ですよね?冨岡さんが師範と言う立場を利用して色々強要してないですか?」
「俺とゆきは師範と継子の関係それだけだ」