第36章 逢引と移り香〜時透無一郎 冨岡義勇
無一郎くんから鴉が来た。凛が鬼に襲われ重症で蝶屋敷にいるから帰れないとの事だった。
凛が鬼に襲われた所に無一郎くんが偶然居たということだよね…
無一郎くんが看病するのか…結局二人は切れない縁でつながっているみたい
無一郎が今日は帰って来ないので戸締まりをしようとした。
門の鍵を閉めようとした時に義勇が現れた。
「あれ?師範?任務は?」
「任務は終わった。ゆき今夜一緒に居ようか?」
「えっ?何故ですか?」
「時透は帰って来ないだろう?」
ゆきは驚いて義勇をみた。
「何故しってるのですか?」
「任務中に時透と会ったからだ」
義勇は、ゆきの背中に手を添えて門の中へ入り鍵を閉めた。
「義勇さん!?」
いきなりゆきを抱きしめた。
「離して下さい!」
義勇は、ゆきの首筋に顔を埋めた
「時透…またあの少女と一緒に居る」
ゆきは先程までま抵抗してた手を緩めた。
義勇が大人しくなったゆきを堪能するかのように背中を撫でる。
「また一人で泣くのか?」
「そんな!?泣かないです!」
義勇の顔を見て強気で言ったが…
あなたのその青く澄んだ瞳には何もかも見透かされているような気がする。まっすぐに私を見る目…
急に涙腺が緩み涙が溢れ出した
「俺が涙を拭いてやる」
両頬を大きな手で覆われて親指で優しく涙を拭ってくれる。
いつだってあなたは優しく甘い…
また私はずるくなっている あなたの優しさに甘えようとしている
「お前が泣きたい時つらい時は俺に頼れ」
私の抱いているこのあなたに対しての感情は何なんだろう…多分他の誰かにこんな事されたら絶対嫌だし拒否すると思う
だけど義勇さんにはならない…
でも…駄目だ…やっぱり都合良すぎる。
「義勇さんありがとうございます。でも一人で大丈夫です」
「俺は不要か?」
「あの…蝶屋敷へ行って無一郎くんの様子を見てきて欲しいってお願いしてもいいですか?」
「承知した」
ゆきは無理な笑顔を作り義勇に笑いかけた
「その前に褒美をもらう」
深く口づけされた。大人の口づけだった。舌も絡まり足の踏ん張りも利かなくなる口づけだった。
倒れそうなゆきを抱きかかえなおも口づけは続いた…。何度も…