第34章 それぞれの想い〜冨岡義勇 時透無一郎
「師範を呼び捨てにするとは何事だ」
すぐに義勇の方を向いて抱きついた。義勇は驚くばかりだった。
「どこに行ってたんですか?」
泣きじゃくりながら俺にしがみついてきた。
「いや、寛三郎が俺が元気ないからと景色の良い場所を案内してくれて今戻って来た所だった」
そうだ…昨夜義勇さんは、ひどく疲れて落ち込んでた…一人助けられなかったって…
私なんてこんな都合のいいことを…
義勇から離れようとした時に、義勇に口づけをされた。
唇を甘く噛むような優しい口づけだった。
「落ち着け…どうした?」
「ひっく、ひっく…あの…」
涙を親指で優しく拭ってくれる。いつも甘くて優しい…
「とりあえず寒いから中に入ろう」
義勇は、ゆきを抱きかかえた。そのまま中に連れて行かれ義勇の膝の上で抱かれたまままた涙を拭ってくれた。
「声が出るようになったから蝶屋敷からもう出たのか?」
「はい」
「なぜここに来た?お前は時透の屋敷で生活するのだろう?」
「凛もいるんです」
「え?」
「無一郎くんが凛も屋敷に連れて行くみたいで…」
「それは嫌だったな…可哀想に…」
義勇さんがほっぺを撫でてくれる…。撫でながら親指で唇をなぞってくる
「で、今日はどうしたいんだ…なぜ俺の何処に来た?」
「そ、それは…」
義勇は膝の上で抱いたまま離してくれない。
「時透と凛を二人きりにさせたいのか?」
「嫌だっそれは!」
そんな焦ってはっきり言われると俺は堪える…。でもお前にこうやって触れれるなら何だっていい…。
「時透には言わないからまた口づけしていいか?」
まだ義勇さん私が噛んだところ少し跡になって残ってる…
義勇は、ゆきの返事を待たずに口づけした。今度は大人の口づけだった。舌も絡み義勇の手がゆきの首筋を撫でる。
ゆきの体も顔も火照っていく。
無一郎くんが好きなのに、私体が義勇さんとの事を覚えてる…
だめだこのままじゃ…
ゆきは、義勇を拒んだ。「義勇さん待ってください」
義勇は、途中で止められて物足りなそうにゆきを見た。
「時透には言わないからもう少し…」
両手首を片手で掴まれて下に抑え込まれた。義勇さんが本気でしたい時は絶対に敵わない。
今がそうだった。