• テキストサイズ

鬼滅~甘い恋の話~時透無一郎、冨岡義勇★R18

第34章 それぞれの想い〜冨岡義勇 時透無一郎


蝶屋敷を出発する時まだ凛は居た。今回は隠が馬車で送ってくれる事になった。

馬車には、真ん中に凛が座った。

「無一郎くん屋敷でご飯やお掃除とか色々するね。何でも雑用こなしちゃう」

無邪気に、話す凛に私はイライラしていた。でも一番イライラしているのは、無一郎くんにだ…
何で帰らさないの?何で屋敷に連れて行くの?

「はぁ」
溜め息ばかり出る…。

「ゆきお姉様溜め息ばかりですね」

凛の声が煩い…話しかけないでほしい…
思わず言葉に出てしまった。

「煩い…」

すると凛が泣き出した…

「無一郎くん…ゆきお姉様怒ってる…煩いって」

もうイライラが限界を超えた

「すいません!隠の方、止めてください」

キー!!

馬車が止まった。

「私歩いて帰ります」

無一郎は慌てて馬車をおりた。

「何やってるのゆき?まだ完全には傷が治ってないから馬車に戻って、早く」

ゆきは、無視して歩き出した。

「聞いてるの?早く戻って」

それでも、無視した。

「怒ってるの?昨日の夜のことは謝るよごめん」

ごめんとかじゃなくて行動で示してほしい…なんでまだ凛が一緒に居るの?この感じじゃ一緒に屋敷で暮らす事になるし

「凛の事はもうしばらく時間が欲しいから、我慢して」

「一人で屋敷に帰るから先に行ってください」

無一郎は、ゆきをじっと見ていたが馬車に乗り行ってしまった…。

一人ポツリポツリと歩いた。

私の想いは…無一郎くんは今誰を想っているの?

少し歩いた所に義勇の屋敷があった。歩きながら中を覗いた。

義勇の姿は無かった…

こんなのすごく都合がいいことだとわかっていた。ずるい事だともわかっている。
だけど、だけど…
会いたくなった…無性に声が聞きたくなった…
義勇さんの気持ちを利用しているのもわかっている。だけど…


道場の中を覗いた

「義勇さん?」

誰も居なかった…屋敷は鍵が開いてたので中に入った。
 
「義勇さん!!」

返事がない

「義勇さーん」

自分の声が響くだけだった
庭に出て歩きながら呼んだ

「義勇さん!」「義勇さん」「義勇さん…」

涙がいっぱい溢れ出した…なんで居ないの?

     「義勇!」

その瞬間後ろから抱きしめられた。耳元から優しい声がする。



/ 337ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp