第33章 十四歳と一九歳〜時透無一郎 【R18】
僕の目の前でゆきが冨岡さんに押さえつけられ口づけされている…。
腹が立った…だけどその場から動けない自分もいた。
冨岡さんは、着ていた羽織を脱ぎ捨てた。隊服だけの姿を見たこと無かった。僕より広い肩幅、僕より厚い胸板、僕より長くて大きい手足…
僕より高い背丈…
僕だって毎日鍛錬して鍛え上げている。ゆきを簡単に押さえつける事はできる。
だけどやはり違う。力任せに抑えてるのではなく丁寧に扱っているのが伝わってきた。
「っ…」
ゆきの声にならない抵抗する息遣いが部屋中に響き渡る。
ゆきの浴衣を義勇は開いていく…どんどん事が進んでいく…
それでも無一郎は動けなかった。
ある程度までして、義勇は急に辞めた。部屋中にゆきの荒い息遣いが響いた。
「時透!なぜ見ているだけなんだ!?」
無一郎は、驚いた。冨岡さんに気付かれていたんだ…。
無一郎は、ゆっくり部屋に入ってきた。
ベッドの上には、浴衣がはだけたゆきが泣きながらこちらを見ていた。
息もすごくあがっていた…。
ゆきが泣きながら浴衣の胸元を押さえ無一郎の胸に飛び込んだ。
肩を揺らして泣いてるゆきを抱きしめた。が…冨岡さんみたいにすっぽり腕の中には収まらない…思い知らされる自分がまだ大人ではないと言うことを…。
義勇は、羽織を拾い刀を腰に戻した。そして泣いているゆきの頭を撫でた。
「びっくりさせて悪かった。今日はどうしてもお前が欲しかった。」
そう言い残して部屋から出て行った。
無一郎は、ゆきの浴衣をきちんと直してあげた。
「大丈夫?あの…すぐに助けられなくてごめんね」
ゆきは、首を横に振った。
「足が動かなかった。僕が子供すぎるから…僕は柱で剣技にも自信はある だけど所詮まだ十四の子供だって思い知らされた。」
ゆきside〜
無一郎くん?どうしちゃったの?私こそあなたに釣り合わないと悩んでたのに、凛との方がお似合いだって
あー声が出たら…話したい無一郎くんと…
「なんだかゆきとはいつも上手くいかない…」
何でそんな事言うの?無一郎くんと居ると安心できるよ…すごく好きなのに…声を出したいよ…
なんなのこの血鬼術…!