第31章 お仕置き〜時透無一郎【R18強】
義勇の思わぬ言葉に無一郎は驚いた。無一郎は、義勇はきっと自信満々に抱いたと公言してくるに違いないと思っていたからだった。
「もういいか?俺は今夜任務があるんだ行かないと」
「はい…」
「ゆきも連れて行くが、時透いいか?」
「えっあっ…今日は連れて行かないで下さい。」
「…わかった。」
義勇は、部屋から出る寸前ゆきに手招きした。
「任務に同行しないなら連絡事項がある」
慌てて義勇の後をついて部屋からでた。
そこでいきなり手を引っ張られた。本当にいきなりだった。
抱きしめられて耳元で言われた
「二人だけの秘密を守った」
それだけ言ってすぐに解放してくれた。
そして無一郎くんに聞こえるように大きな声で
「時透の看病きちんとしてやれ!」
と言って、行ってしまった…。
部屋に戻ると無一郎が拍子抜けしたような表情をしていた。でもまだ疑ってるようだった。
「冨岡さんと任務に行きたかった?」
ムスッとした顔で聞いてきた。
「私は無一郎くんのお世話したかったから行きたく無かったです」
「わかった…。とりあえず夕食食べてきなよ。胡蝶さんが、用意してくれてる。あとお風呂も入っておいで」
無一郎はそれだけ言って気まずそうに本を読みはじめた。
暫くして無一郎の部屋に戻ってきた。無一郎がぐったりしているように見えておでこを触ってみた。
すごい熱だった。
ゆきがあたふたして、しのぶを呼びに行こうとした時に無一郎がゆきをベッドの上に引き寄せた。
「行かないでよ。大丈夫だから」
「でもすごい熱ですよ。解熱薬をもら…」
激しく口づけされた。優しくない激しいくちづけ…。
無一郎は、熱があるので触れ合う唇が熱く、顔に触れる無一郎の手も熱かった。
「む、無一郎く…っ」
「黙って…味わってるから…」
少しの間無一郎に体を委ねていたが、やはり安静にした方が良いので無理に無一郎から離れた。
まだあどけなさが残る顔でこちらを悲しそうな目で見てくる。
「せっかく味わってたのに…お仕置きだって終わってないんだから」
「駄目です安静にしないと傷の治りが遅れます。冷やすものと解熱薬貰ってきますね」