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鬼滅~甘い恋の話~時透無一郎 冨岡義勇★R18

第105章 無一郎と美月の仲〜時透無一郎


さっき見た二人の姿が頭から離れず、ゆきは薄く目を開けたまま、冷え切った布団の感覚に耐えていた。

胸を押し潰すような痛みで、息をするのさえ苦しい。

美月の言葉を信じ、ゆきを疑い、そして美月の元へと身を寄せた無一郎。

その光景が焼きついて離れず、ゆきは溢れそうになる涙を必死にこらえ、布団をかぶった。

どれだけ経っただろうか、廊下を渡ってくる静かな足音が聞こえた。

足音はゆきの部屋の前で、一度止まり遠のき、また部屋の前で止まった、そして音もなく障子がゆっくり開いた。

…無一郎くん……?

ゆきは咄嗟に瞼を閉じ、規則正しい寝息を装った。

今は無一郎くんと話したくない…

気配が静かに近づいてくる。

ゆきの枕元で無一郎は、ゆっくり腰を下ろす、冷えた空気が揺れた。

ふわりと落ちてきたのは、無一郎の香り…そして、ほんのわずかに混ざる美月の部屋の香の匂い。

次の瞬間、唇に柔らかく、そして泣き出しそうなほど切ない感触が落とされた…。

「…っ」

愛おしむような、けれどどこか許しを請うような、繊細で熱い口づけだった。

無一郎の吐息が耳元をかすめ、頬に触れた無一郎の指先が小さく震えているのが伝わってきた…。

やがて、名残惜しそうに唇が離れた。

無一郎は何も言わないまま静かに立ち上がると、忍び足で部屋を出て行き、障子がそっと閉ざされた。

一人取り残された暗闇の中で、ゆきはそっと自分の唇に指を触れた。

残されたのは、冷たいほどの切なさと、あまりにも深い困惑…。

美月の所で、甘えてきたくせに何故私にこんな事をするの?

自分を拒絶し、信じてくれなかった無一郎くん

それなのに、あの口づけには揺るぎない愛着と、愛おしさが満ちていた優しい口づけだった。

すれ違う心と、裏腹な無一郎の温もり…。

無一郎の本当の気持ちが分からず、ゆきは眠れぬ夜を過ごした。

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