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鬼滅~甘い恋の話~時透無一郎 冨岡義勇★R18

第104章 護衛〜冨岡義勇【R強】


迷った末、ゆきはひとつの答えを胸に決めた。

自分の汚い感情で、この人を縛るわけにはいかない。

「…義勇さんは、新しい継子の方を迎えてください」

どうか、私のことなど忘れてください…。

私に大切な時間を割かないで…。

義勇さん


「私なんかのことは、どうか忘れてください。…今まで、出来の悪い継子で申し訳ありませんでした。新しい継子の方を、大切にしてください。」

身を引くことが、自分にできる唯一の誠意だと思った。

ゆきの言葉を聞いた瞬間、義勇の碧い瞳に影が落ち、その表情が切ないほどの悲しい色に変わっていく…。

義勇は、しばしの沈黙の後口を開いた

「…そうか。分かった。継子は、迎え入れよう」

義勇は静かにそう呟くと、一度言葉を区切った。

しかし、顎に触れていた指先を離そうとはしない。

その瞳には、なおも切実な光が宿っていた。

「継子は迎え入れる。だが、まだ肝心の答えを聞いていない。さっきこの話を聞いた時、お前は……嫌だったか?」

胸を刺すような問いに、ゆきは誤魔化す術を失い、じっと義勇を見つめ返した。

嘘をつくことすら叶わないほど、彼の眼差しはまっすぐだった…。

「……嫌でした」

ゆきのぽつりと零れ落ちた本音に、義勇の目が大きく見開かれる。

思わぬ返答に動揺を隠せず、義勇の胸が激しくざわついた。

その隙を見逃さず、ゆきはそっと視線を外した。

「…食事に行っても、いいですか?」

呆然と放心状態になった義勇の腕から抜け出すのは、驚くほど簡単だった。

温かな拘束からあっけなくすり抜けると、ゆきは振り返ることなく、義勇を部屋に残したまま食堂へと足を向けた。

「嫌ならなぜ、継子を迎え入れろと言うんだ…。なぜお前を、俺から忘れさそうとする?俺は、お前を時透から掻っ攫ってもいいと本気で思っている。」

義勇は、誰もいない部屋で一人悲痛な胸の内を言葉にしていた。



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