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鬼滅~甘い恋の話~時透無一郎 冨岡義勇★R18

第104章 護衛〜冨岡義勇【R強】


義勇さんが、どんどん近づいてくる…どうしよう…

逃げ場をなくしたゆきは、これ以上義勇の真っ直ぐな瞳を見ていられず、ぎゅっと目を閉じた。

視界を閉ざしても、近づいてくる義勇の体温と気配が、肌を刺すように伝わってくる。

沈黙の中、義勇は切ない、今にも泣き出しそうな声を振り絞るようにして口を開いた。

「お前以外…継子は取らないと、心に決めていたんだが…。鬼の出現が無くなった今だからこそ、次の世代を育てて欲しいとお館様に頼まれて…新しく、継子を取ることになった」

予想もしなかった言葉に、ゆきはゆっくりと目を開けて義勇を見つめた。

義勇は、胸が締め付けられるほどに悲しそうな顔をしていた。

「お前と同じ…年齢の、女性の隊士らしい」

その事実に、胸の奥がズキリと痛んだ…。

胸が痛い…何で?もしかして…私…嫉妬しているの?
義勇さんに、新しい継子が出来ることに…

勝手に意地悪な言葉が、出てくる…

「なら…私が、あの時お返ししたあの羽織を、その方に渡せますね。私との繋がりもなくなりますね。」


ドンッ! と、激しい音が鼓膜を叩く。


「……!?」

義勇は、ゆきの顔の横の壁に、勢いよく手を突いていた。

心臓が跳ね上がる。至近距離で見下ろしてくる義勇の瞳には、明らかな焦りと怒りが滲んでいた。

「本気で言っているのか…?」

「はい…お返ししたので私のものではないので」

怯えながらも言い返すと、義勇は悲痛な声を張り上げた。

「あれは…お前の為だけに仕立てた羽織だ!お前の羽織だ!」

息が触れ合いそうな距離で、義勇は秘めていた本音を零すように続けた…。

「お前が継子を辞めて、俺の元を去ったあの日から…俺は、毎晩…あの羽織を、お前だと思って、胸に抱いて眠っている…」

「えっ…?」

その告白に、ゆきの胸がギュッと苦しくなる…。

「お前が、隣で一生懸命稽古をしているのが当たり前だった。時透と婚約しても、俺はお前の師範で側でいれるだけでも良かった…。だけど、あの日急に継子を辞めると言われ…立ち去られて…手元に残ったのはお前の羽織だけだった…。」

義勇は、壁についた手をゆっくりとゆきの頬に移動させ手のひらで包んだ。

ゆきの目からは、大粒の涙が流れていた。


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