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鬼滅~甘い恋の話~時透無一郎 冨岡義勇★R18

第104章 護衛〜冨岡義勇【R強】


翌朝、窓から差し込む柔らかな光で目を覚ますと、外は雲ひとつない見事な秋晴れだった。

「義勇さん」

澄んだ青空とは裏腹に、私の心には昨夜の彼の切ない瞳がまだ色濃く焼き付いている。

胸のざわつきを振り払うように頭を振ると、気を取り直して着物に着替え、部屋を後にした。

朝食を摂るため、甘露寺さんの屋敷にある食堂へ向かった。

しかし、扉を開けたゆきの足はぴたりと止まった。

そこには、すでに義勇さんの姿があったからだ。

「あ…」

不意の遭遇に一瞬戸惑ったものの、逃げ出すわけにもいかない。

私は高鳴る鼓動を抑えながら、そっと彼の隣の席に腰を下ろした。

「…おはようございます、義勇さん」

「おはよう」

横目で見た義勇さんは、昨夜のあの締め付けられるような表情が嘘だったかのように、いつもと変わらない淡々とした様子だった。

少し拍子抜けしながらも、運ばれてきた朝食の膳に目を落とす。

その瞬間、ゆきの箸がぴたりと止まった。

…あ、茸…

小鉢の中に、私の大の苦手な茸。

どうしても箸が進まず、器を見つめたまま固まっていると、不意に隣からすっと箸が伸びてきた。

義勇さんは流れるような自然な所作で、ゆきの小鉢から茸をひょいとつまみ上げ、自分の器へと移したのだ。

「え…」

驚きに目を見張り、思わず義勇さんの顔を覗き込む。

義勇さんは表情ひとつ変えずに、黙々と箸を動かしていた。

私の苦手なもの…まだ、覚えていてくれたんだ…

継子だった頃、食事のたびにこうしてさりげなく助けてくれたことを思い出し、胸の奥がじんわりと熱くなる。

「ありがとうございます」

気恥ずかしさから、俯きながら小さな声でお礼を伝えた。

頬を桜色に染め、消え入りそうな声で感謝を口にするゆきの姿を、義勇は視界の端で静かに見つめていた。

その愛らしさに、胸の奥がどうしようもないほど愛おしさで満たされていく…。

…やはり、可愛いな

願わくば、また昔のようにゆきと笑い合える日々に、あの愛おしい時に戻りたい。

こうして毎日、当たり前のように共に食事を摂り、同じ時間を静かに分け合いたい…。

そんな切なる願いを不器用な胸の内に秘めながら、義勇はただ、いつもより少しだけゆっくりと箸を進めた。

少しでもゆきの側に居たいから
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