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鬼滅~甘い恋の話~時透無一郎 冨岡義勇★R18

第104章 護衛〜冨岡義勇【R強】


これ以上惑わせないでほしいのに、義勇さんは私を愛おしそうに大切に、強く強く抱きしめて離さない…。

腕の強さと切ないほどの体温に、ゆきの鼓動はさらに速くなっていった。

ゆきは、このまま義勇の温もりに溶けてしまいそうな感覚に陥っていた。

義勇がそっと腕の力を強め、ゆきの項に顔を埋めようとした…その時だった。

「ゆき様、大丈夫ですか!? お怪我はありませんか!」

静まり返った廊下に、先ほどの「隠」の慌てた声が響き渡る。

息を切らせて追いかけてきたのだ。

その声を聞き、義勇はすぐにゆきから体を離した。

「あっ! 水柱様! もしかして、ゆき様を助けてくださったのですか……! ありがとうございます、助かりました」

隠は階段を駆け下りてくると、心配そうにゆきの顔を覗き込んだ。

突然の出来事に心臓がバクバクと脈打つ中、義勇はいつも通りの凛とした表情に戻り、静かに口を開く。

「…もう時間も遅い。これ以上騒がしくすれば、皆を起こすことになる。ゆきは俺が部屋まで送り届ける。お前も戻って休め」

「しかし…」

「俺はゆきの護衛で来ているんだぞ?構わん」

「はっ!では、失礼いたします!」

威厳に満ちた水柱の言葉に、隠は深く頭を下げると、足早に去っていった。

再び訪れた静寂

暗い廊下には、二人きりの気まずい空気が重く漂う。

ゆきはただ自分の足元を見つめていた。

「少し散歩しないか?」

沈黙を破ったのは、低く穏やかな義勇の声だった。

「えっ?」

「喉も渇いたし庭の井戸まで汲みに行こう。…眠れなかったから、部屋を抜け出たんだろう?」

見透かしたような優しい声音に、ゆきは返す言葉を失って、さらに深くうつむいた。

眠れなくなった原因が、他ならぬ義勇さん、あなたの存在のせいだなんて。

すぐ近くにいる義勇さんの体温や、抱きしめられた腕の強さが頭から離れなくて、胸が苦しい。

そんな本当の理由など、口が裂けても言えるはずがなかった。

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