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鬼滅~甘い恋の話~時透無一郎 冨岡義勇★R18

第104章 護衛〜冨岡義勇【R強】


その日の夜、それまでのおっとりした空気とは打って変わり、甘露寺さんの屋敷はどこかそわそわとした慌ただしさに包まれていた。

慌ただしい足音と共に、甘露寺さんが部屋に入って来るなり、私の両手をぎゅっと握りしめ、頬を薔薇色に染めて目をキラキラと輝かせた。

「ゆきちゃん! 聞いて聞いて! 私、久しぶりに偵察の任務が入ったの!」

鬼の出現が無くなった今、任務と言っても最近の偵察は、鬼の捜索というよりも、今までの戦いで疲れた柱たちの息抜きや保養を兼ねたものになっていた。

「温泉地なんだけどね、なんと…伊黒さんと一緒なの!」

嬉しそうにもじもじする彼女を見て、私はすべてを察した。

だから夕方から屋敷全体が浮き足立つような、甘い緊張感に包まれていたのか、伊黒さんの名前が出ただけでこれほど舞い上がる彼女が愛らしくて、胸の痛みが少しだけ和らぐ。

「甘露寺さん。 任務ですけど、お二人で思いきり楽しんできてくださいね」

心からそう伝えると、甘露寺は一瞬だけ嬉しそうに微笑んだものの、すぐにハッとしたように表情を見せたかと思うと、申し訳なさそうに眉を下げた。

「あのね、ゆきちゃん…本当にごめんなさい。私が留守にする間、この屋敷が手薄になっちゃうでしょう? だから、その…『護衛』が必要だって話になって。私も最初は断ろうとしたんだけど、押し切られちゃって…」

「え…?」

護衛? 鬼の出現はほぼ無いはずなのに、なぜそんなことをするのだろう。

首を傾げるゆきに、甘露寺は気まずそうに視線を彷徨わせながら、衝撃の事実を口にした。

「私がいない間…冨岡さんが、夜の護衛としてこの屋敷に来てくれることになったの…」

ゆきの頭の中は真っ白になった…

昼間にあれほど悩み、迷子になっていると打ち明けたばかりなのに…

甘露寺さんのいない夜の屋敷に、義勇さんが?

「本当にごめんなさいね、ゆきちゃん…断りきれなくてさぁ…あの口下手な冨岡さんがどうしてもって頼んでくるから…つい…」

手を合わせて謝る甘露寺の声が、遠くの方で響いているようだった。

ドクンドクンと、静まり返った体内で心臓が激しく脈打ち始める。

昨日の、あの唇に触れられた感触が、今生々しく蘇ろうとしていた…。

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