第3章 入学式とドルオタ
さくらの舞う季節になり、ついに入学式もやって来た
あたしは高校デビューするわけもなく、メガネにマスクの2つを常備
それに予備まで用意してある
無論、校長先生や担任の先生にはしっかり話しをつけてあるし
あと知っているのは保健の先生や音楽の先生だけだ(他の先生も知ってると言えば知っているかも知れないけれど)
もちろん都内だから同中の子とかも居るわけで、チラホラと姿が見える
「オーッス、名字じゃん
何?お前も秀徳受けたの?」
話しかけてきたのは同中の奏音(かなと)くん
仲は良いと言えば良い
『受けてなかったらここにいないよー
制服も秀徳のセーラーでしょ?』
「おお!そうか!
ていうかお前、またそのメガネにマスクかよ」
『風邪引きやすいし、喉が弱いから仕方ないの』
今のはマスクを取らずに済む言い訳
音楽のときもこれで何とかやり過ごしたりしているし、風邪と言う理由で仕事の時学校を休めるから何かと便利なのだ
しかし先生にはしっかりと仕事と伝えているが
「ま、風邪引かないよう頑張れよ
じゃな!」
『ご心配どうも』
とりあえずと自分のクラスを確認するためクラス表の方へと向かう
そこにはたくさんの人が居て、混み合っている
『・・・はぁ』
でもクラスを確認するために混んでいるクラス表の所へと行く
だけども混み過ぎているため背の高い人も多く、自分の名前が見えない
『これだから背が小さいのは嫌なんだよなぁ…』
肩を落として落胆しているとそこら辺で新入生へ説明をしていた背のでかい男の人から話し掛けられた
「お前、名前は?」
『え、えっと、私?』
「お前以外に誰が居んだよ」
いえ、周りにいっぱい居ます
でも初対面の人にそんな事を言えるわけもなく名前を告げる
『名前 名字…ですけど』
「漢字教えろ」
『えっと…』
手のひらに自分の名前を書いてどんな漢字かを教える
そうすると男の人は分かった。と呟きクラス表を見始めた