第2章 卒業式
あのあと家に帰ったあたしと涼太は、とりあえず変装をした
涼太は1人の場合なら良いのだが、男女2人となると良い噂が立てられないからだ(美男美女は除く)
さらにお相手がアイドルとなるとさらに厄介となるだろう
『あ、あった』
「ほんとッスね!
じゃああとは名字っちが出てる週刊誌買えばOKッスね!」
『別に買わなくて良いよ』
「俺が買いたいだけなんスよ」
涼太は週刊誌を探しに行き、その背中を追いかける
足長いからか、歩くの速い!
「見つかったッスよ
ほら」
そう言う涼太の手には、確かにあたしが表紙として写っている週刊誌
内容はこの間リリースした新曲についてみたいだ
「インタビューも載ってるッス!」
『そう言われればそんなこともした気がしなくもないかも…?』
「とりあえず買って帰るッス!」
『あ、お金』
「良いから待ってて!」
『はいっ!』
え、なんであたし後輩に敬語使ってるんだろう
涼太だから良いかな
しばらくすると涼太が帰って来て、先ほどの雑誌2冊は袋の中に入っていた
「じゃ、今日は帰ることにするッス
・・・あ」
本屋の外に出て目に入ったのはビルの広告部分に飾られているあたしのポスター
大手化粧品メーカー新商品のファンデーションの広告だ
だいぶ引き伸ばしされており、1番大きい広告コーナーに入れられている
『・・・でかい』
「名字っち綺麗ッス!」
『り、涼太早く帰ろう?』
こんなでかい自分の広告があるところに居るところに長居したくない
恥ずかしくはないが、ガン見されると照れるのだ
「もっと名字っちの広告見たいんスけどー」
『良いから帰るの!』
実は知っている人にガン見されるのって、尚更嫌なんです