第2章 卒業式
ふと時間を確認するとあと10分程で出掛ける時間だと分かる
そのためダテ眼鏡にマスクを付ける
さらに髪を横で1つに結ぶ
『・・・よし!
地味系女子の完成!』
「全く、名字ちゃんも芸能高校行けば良いのに」
『自分で決めたことだから良いのー』
お姉ちゃんと話していると、後ろから抱き締められた感覚
そして首もとからふわっとシトラスの香りがしたため、後ろを確認すると涼太が顔を埋めていた
『涼太?』
「名字っちと、高校別になりたくないッス」
『またそれ?
確かあたしが泊まりに来る度に帰ってほしくないって言ってたよね』
「だって寂しかったんスもん」
『涼太は直球で素直だね』
お腹辺りに回されている手をやんわりらどき、涼太に向かいあう
『ほら、学校行かないと遅刻するよ?
怒られちゃうから行こ?』
「…はいッス!」
『「行ってきまーす」』
「はいはい。行ってらっしゃい」
2人声を合わせお姉ちゃんに言うと、お姉ちゃんは呆れたように見送ってくれた