第2章 卒業式
「姉ちゃんに名字っち、おはようッス」
『「「おはよう涼太」」』
ぴょんぴょんと所々に寝癖が付いている状態で起きてきたのは涼太
大体ワックスとかもろもろで直ってるんだけどね
くしゃくしゃと彼の頭を撫でると涼太は少しはにかんだ
『あ、涼太
今日の仕事無くなったって春雨さん言ってたよ』
「本当ッスか?
多分今日泣いちゃうんで助かったッス~」
『せめて他の子の前で泣きなよ
あたしの前で泣かれると困るもん』
「無理ッス!」
「ほらあんた達、ご飯になるから早く座って」
『「「「はーい」」」』
▽ ▽ ▽ ▽ ▽
《続いては、おは朝のコーナーです
今日1位星座は山羊座のあなた!》
『(やった!)』
内心ガッツポーズをしてラッキーアイテムなどを気にするためTVに集中する
《山羊座のあなたは双子座の人に優しくするとさらに運気アップ!
ラッキーアイテムはボタンです!》
「名字っち聞いたッスか!?
今日の名字っちは俺に優しくすると良いんスよ!」
「「涼太黙って、聞こえない」」
向かいに座ってるお姉ちゃん2人の言葉に、シュンと言う効果音が付きそうな風に落ち込む隣りに座っている涼太
『はいはい
じゃあ卒業式が終わったら、今日発売の涼太が載ってる雑誌買いに行こう?』
「!
名字っち大好きッス!」
提案した瞬間パアッと花を咲かせてあたしにぶわっと抱き付く涼太
う、うん。感覚が犬だ