第10章 ライブだよっ!
『緑間くん、高尾くん!』
「あっれ名字ちゃん?
おっはよー。珍しく早く登校?」
『おはよ…そう言う2人はチャリアカーで登校?』
「高尾が負けたから漕がせているのだよ
名前も乗っていくか?」
「ちょっ、真ちゃん!これ漕ぐの結構キツいんだからな!」
『私歩くからいいよ?』
「いや、乗り心地はそこまで良くないが乗っていくのだよ
高尾の自主トレのためだ」
『でも…』
「いーよ乗って!
真ちゃんがもう1人増えるなら考えっけど、名字ちゃんは軽いだろ?」
『(確かに身長の理想モデル体型下回ってはいるけど、軽くはないと思う)』
そっと乗ろうとすると緑間くんが脇に手をいれて支えてくれて、や、優しい…!と感動しながらお礼を言ってリアカーに乗った
そこで先日もらったチケットを思い出してカバンの中身を探った
『緑間くん、なっちゃんのチケット当たった?』
「…その日の運勢が悪かったせいで当たらなかったのだよ」
『あ、じゃあ良かったらこれどうぞ』
「何ー?真ちゃん何もらったー?」
「…なっちゃんのライブチケットだと!?」
『高尾くんの分もあるから、後で緑間くんから受け取ってね』
あれ、緑間くんなっちゃんのこと意外と好き…なのかな?
そうだったら嬉しいけど…嫌いではなさそうだからいいや
自転車を漕いでる高尾くんは爆笑していて、バランスを崩さないか不安だったけれど大丈夫そうだった
「いいのか?S席のものを2枚も…」
『私その日外せない用事あって…、宮地さんにも渡す予定だから一緒に行ってきなよ』
「3枚もあるのか!?」
『おは朝で当たったし…お姉ちゃんからもらっちゃって…』
ごめんお姉ちゃん。あたしはあなたに色々なものを擦り付けているけど…なっちゃんのことを隠すためなので許して下さい
ありがたくもらってやるのだよ。と律儀に折り曲がらないようにと本にチケットを挟む緑間くんに笑顔を向けた