第2章 卒業式
水色のシャツに黒いリボンを結び、ブレザーを見に纏う
いつも通りの眼鏡(ダテ)にマスクを手に取る
式中はマスクつけられないって先生に言われちゃったんだよなぁ…どうやって顔を隠そうか…
そこで携帯に電話が掛かってきて手に取り電話に出る
『もしもし、名前ですが』
《名字ちゃん?
今日卒業式よね、おめでとう》
掛かってきた電話の相手はマネージャーの春雨さん
言葉の通り、今日は帝光中学校の卒業式だ
『じゃあ今日は1日オフなんですね?』
《ええ、ちなみに黄瀬くんも休みだからそう伝えておいてね》
『了解しました』
用件を確認して電話を切り、リビングへと向かう
そこに居たのは遠い親戚に当たり、昨年度から居候させて頂いている相手に当たる、黄瀬一家だ
「おはよう名字!
今日も朝から可愛いね、さすがはアイドル!
そんな姿をマスクで隠すなんて…」
「卒業おめでとう名字!
ついに中学生は居なくなったね!」
『おはようお姉ちゃん!
一応今月1杯は中学生だから、まだ2人だよ?』
あたしは涼太からの誘いで中学2年生の冬からオーディション受けたらまさかのアイドルになってしまった
さすがに元々住んでいた茨城県から東京は遠いため、東京に住んでいる遠い親戚の黄瀬一家のところに住ませていただいているのだ