第8章 恋バナと正体と
「じゃ名字ちゃんなっちゃんだったってわけ?」
『な、内緒にしてね?』
「おう!
てかそれだと宮地さん、張本人に話してると同じ…ブハッ!」
『ざ、罪悪感がする』
「てか何で正体隠してまで秀徳に居るわけ?
てっきりなっちゃんって芸能学校に居んのかと思ってたわ」
『普通の生活もしたいから、なのかな…』
「ブッハ!
何それマジウケる!」
うぅ…と頭を抱えながら高尾くんの笑い声を聞く
その笑い声がさらに宮地さんへの罪悪感を煽ってきて、どんどん気分が沈んでいくのを感じた
「ひー、悪い悪い名字ちゃん」
『悪いと思ってるなら…笑わないでよ…』
「とりあえず、名字ちゃんは宮地さんのことどう思ってんの?」
『…よく分かんない』
「名字ちゃん…恋を知らない感じかー…」
『えっと、宮地さんにクラス来いよ。って呼ばれると嬉しい』
「うんうん」
『あと、目で追いたくなる』
「うんうん」
『気づいたらね、宮地さんのこと考えてるんだ』
あたしの一言一言に返事をしてくれた高尾くん
その表情はニコニコと言うよりニヤニヤしていて…少し気持ち悪かった