第7章 高鳴り
「名前ってそんな目、悪いのか?」
あたしの目元を指差しながら言う宮地さん
たしかに分厚い眼鏡をしているが、特に…全く目に問題はないんだよなぁ
『紫外線に、弱いんです
まあ…他にも理由はありますけど』
「へー」
『高尾くんも似たようなこと今日聞いてきましたよ
マスクですけど』
「高尾が?」
『今、隣りの席なんです』
「あー、お前か
高尾が言ってた地味だけど面白い奴って」
『地味、ですか…』
地味を目標としているあたしには誉め言葉に感じるな
…あまりよい気分はしないけれど
『誉め言葉として受けとりますね』
「地味が誉め言葉で良いのか?」
『普通。って受け取れば悪くは思いませんよ
むしろ普通が1番です』
「…ムダにポジティブだな」
『元気が1番って、なっちゃんも言ってますからね』
相変わらずカフェオレを飲んでいる宮地さんに自分で言うのが恥ずかしいセリフを言うと、フッと口角をあげた宮地さん
そんな宮地さんを見て少し胸が高鳴ったのは気のせいと信じたい