第6章 緑間くんと高尾くん
「名字ちゃんってさー」
『うん』
「体調崩しやすいって本当?」
『本当、だよね。緑間くん』
「中学の頃から崩しやすかったのだよ」
「へぇ~」
疑い深い目でこちらを見る高尾くんがちょっと怖くて、目線を少々下に下ろして逸らす
ふとポケットに入れている携帯が震えたため、着信元を確認すると噂をしていた先輩からのメールだった
『…宮地さんからだ』
「えええええ!?
ちょ、宮地サンのメアド持ってんの!?」
『え、あ、うん
そんなにびっくりすることかな…』
「どこに接点があるのか全く分からないのだよ…」
『…色々とあってね
困ってた所を助けてもらった』
「宮地サンが!?」
『う、うん』
高尾くんの必死さが先程とは別の意味で怖かった
だが今度は目線を逸らさずにまっすぐ目を見つめた
「な、内容は…?」
『んーと…"暇だったら来てくれ"』
「…告白!?」
『違うと思うな
宮地さんと私じゃ釣り合わないよ』
携帯をポケットに閉まって、行ってくるねと呟いて宮地さんの居るであろう教室へと足を進ませる
後ろでは高尾くんと緑間くんがポカーンとした顔が見えて、少し吹き出してしまったことは内緒にしておきたい