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【鬼滅の刃】彩りの恋(R18)短編集

第3章 空色の恋(時透無一郎)



「今日はもういいや…戻って大丈夫だよ。
お茶をありがとう。」

隠が驚いたように目を見開き、屋敷にいた全員、寮に戻って行った。


「雫…」

体に良さそうな濃い玉露を一口含み、話し始めた。

「何か…色々誤解させてしまったかもしれない。
君のことを単なる同衾相手だなんて思ってないよ…」

『…………』


「初めての任務の日に見た君の涙があまりに綺麗で…
あんな風に君を抱いてごめん。
怪我もしていたのに…」

そっと触れると、染まっていく頬。

『大丈夫…』


「冨岡さんに告白されたの?」

『ぇっ……ぇと……』

目が泳ぎ、わかりやすく慌てる雫。


「何て答えたの?」

『……答えてない…はっきりとお断りしたわけじゃ…』

「断ろうと思ったの?」


『それは………』

湯呑みを握った手に力を込める雫から、そっと湯呑みを外し、引き寄せる。


「僕のため…?」

久しぶりに触れる雫の体はやっぱり男のものとは違い、柔らかくて安心する。

『………』

「雫…?」


『何百といる鬼殺隊の頂点である柱に…
そんな想いを抱いちゃいけないって…思って…
私達は柱をお支えしなきゃいけない立場なのに…』

「何で下っ端の君達に支えられなきゃいけないの?
弱いんだから僕たちに守られていればいいんだよ。」

『そうなんだけど…』


あぁ…すぐやってしまう。


「ごめん…そうじゃなくて…」

僕の腰に添えられた小さな手に力が入る。

『…っ…無一郎に抱かれる度に…
無一郎を好きっていう思いがどんどん膨らんで…自分の中で収集がつかないくらいに膨らんで…
けど無一郎は違うんだ、って思ったら…凄く辛くなって…』

ポロポロと涙を流す雫。


「ちょっと待って…何で違うって決めつけるの?」

『私の事同期って…』

「それは間違っていないでしょ?
何を聞かれているのかわからなかったんだよ。」

『じゃあ…何?』


僕はふっ、と笑い答えた。

「僕の大切な子。」

ぇ…?と雫が言うや否や唇を重ねた。

『んっ……ふっ…』

「…そんな風に言わなきゃわからないの?」


荒々しく歯列をなぞり、舌を絡める。

「大体いつの間に冨岡さんの継ぐ子になったの…?
考えただけで苛つくよ…」
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