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【鬼滅の刃】彩りの恋(R18)短編集

第3章 空色の恋(時透無一郎)



『雫です…14歳、水の呼吸を使います。
何でも得意ですが、最近は新しい型が使えるようになりました…まだまだ精度は高くないですが…』


14で拾壱ノ型を編み出したというのか…

「新しい型を見せてみろ。」

『ぇ……?』

「俺に向けてやってみろ。刀を抜け。」

『ですが…』

「構わん…俺は柱だ。柱の命令だ。やれ。」

『はい…』

雫が構えると、何の迷いもなく、一直線に突っ込んできた。

「…っ……」











ーーーーーーーーーーーー

「見事だった…」

14歳でこの威力。
ここ最近ではこのレベルの隊士に会っていなかった。


「何という技なんだ。」

『飛瀑の龍…と名付けました。
精度はまだまだですが…滝壺よりも更に威力のある技です。あとまた最近思いついたのが、水鏡という、相手に鏡と錯覚させて隙をつく技だったり、霧も使えるな、とか…』

「ふっ…楽しそうだな。」


クルクルと表情を変えて楽しそうに技の事を話す雫に興味が湧いた。

「お前達の事は大体わかった。
夕方また迎えに来る。その時までに準備を済ませておけ。」


雫が実践で、どのように技を出すのか見てみたい。

久しぶりに隊士に期待している自分がいた。

水の呼吸…ともするとこの娘に柱を…


どこか安堵している自分に気づき、帰路についた。



















翌日の朝

ーーーーーーーーーーーー

「雫…と言ったか?」

『はい……』

「お前…俺の継ぐ子になる気はないか?」


昨夜の戦闘で確信した。この娘は確実に強くなる。

年端も行かぬ娘で、まだまだ実践は積む必要があるが、戦闘のセンスは他の隊士と比べ頭一つ抜けている。

『…………』

「何か問題があるか?」

『私は…水柱様の継ぐ子になっていい人間ではありません…』

「何か事情があるのなら言ってみろ。俺が判断する。」

『………っ…』



雫はゆっくりと俺に、初めての任務の話をした。

『そういう…事ですので…私は同期である霞柱様に助けられ、運良く生き永らえているだけ…大した人間ではないので…』

俺は雫の頭にそっと手を乗せた。


「…お前を継ぐ子にしてもらうよう、お館様にお願いする。」

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