• テキストサイズ

【鬼滅の刃】彩りの恋(R18)短編集

第3章 空色の恋(時透無一郎)



「僕も会いたかった。」


あの日…洞穴で得た快楽が忘れられなかった。

満たされた気持ちになって、何だか優しい気持ちにもなれた。

そんな事は久しぶりだった。



人にも物にも、何も執着がなくなっていたから。



『無一郎…は…何で私を呼んでくれたの?』

恐る恐るという感じで、僕を見ながら質問する雫。


「…?手紙に書いた通りだよ。
前に雫とした事を、またしたかっただけ。」

雫の瞳が揺れたような気がした。


『そっか…そうだよね。』

「……?雫?どうかしたの?」

『どうもしないよ…』

「そんな風に見えない。」


雫は口を開いた。

『私達って、何…?』


…何?

雫の言っている事がわからなかった。


「何って…同期で…今は一般隊士と柱…
え、何なの?何が言いたいの?」


『………』

雫の目から涙が流れた。


「雫…」


『帰ります…今日は夜から任務なので。
お会いできて嬉しかったです、霞柱様…』


そう言うと、雫は素早く服を着て、屋敷を出ていった。


霞柱様…


柱になったばかりの頃、雫は僕をそう呼んだ。

雫にはなぜか名前で呼んでほしくて、その呼び方はやめてほしいと言った。

最終選別の時から、僕たちはお互いを名前で呼び合い、同士の絆のようなものを感じていた。

だから雫にもその通りに言ったのに、雫の態度はどこか悲しげだった。


「…何かしちゃったのかな…」

フワッと縁側に銀子が飛んできた。


「銀子…僕何か間違った?」

銀子はフフン、と鼻を鳴らし、アレデヨシ!と言った。




 



side 義勇

任務のために、隊士の寮に出向くと、隊士達は礼をして迎えてくれた。

「「「お疲れ様です、水柱様。」」」

「…本日の任務の件で打ち合わせに来た。
任務の者は外に出ろ。」

「はいっ…」



隊士3名が外に出てきた。

「一人一人、名前、年齢、呼吸と得意な技、戦法を言っていけ。それにより配置を考える。」

2名の隊士の紹介が終わり、残り1名の女の隊士の紹介となった。

/ 57ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp