第1章 群青色の恋(冨岡義勇)
雫を抱き締めながら腰を振ると、訪れる射精感。
『はい……もう…義勇様だけです…』
涙で頬を濡らしながら俺の首に腕を巻きつける雫の額に口づけた。
「雫………愛してる。」
最奥まで突き上げると自身を引き抜き、雫の小さな体に欲を吐いた。
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「疲れたか…?」
『いいえ…幸せで…夢みたいです。』
先程まで、すやすやと寝息をたて、眠っていた雫。
寝顔を見ながら、誰よりも雫の近くにいるのは自分だと自覚すると、頬が緩んだ。
相変わらず外は激しい雨の音がし、女将に鴉を送るのも憚られた。寛三郎は歳だ、無理はさせられない。
寝顔を見ながらうとうとしていると、ゆっくりと瞼を開け、寝てましたか?と焦る雫。
「大丈夫だ、俺も休んでいた。」
雫は微笑み、俺の腕の中に収まり現在に至る。
「1つ…ずっと気がかりだったことを聞いてもいいだろうか。」
『…?何でしょう?』
「答えたくなかったら答えなくていいし、嫌な質問だったら言ってほしい。」
雫を抱き寄せると、ぎゅっと抱きしめた。
「あの男は…俺が町に行っている間もお前を…
勘違いでなければ、お前は俺に心を許してくれているように感じたのだが…なぜ1度も言わなかった?」
『…………』
フッと影が落ちたように暗い表情になった雫。
「…すまない…無神経だったな…」
『義勇様に…知られたくなかったのと…』
ポツリ、ポツリと話し出す雫が、俺の寝間着を握る力が強まった。
『言ったらきっと、私は安全な場所に移されてしまう…
そうしたら二度と、義勇様に会えなくなってしまう。
それが怖くて…
あの人に何をされても、義勇様にお会いできるだけで忘れられました。耐えられました…
でも…義勇様が町に来られなくなってからは心にぽっかりと穴が空いてしまったようで…食べられず、笑えなくなってしまった。
だから…義勇様が来てくださった時は、幻でも見ているのかと思いました。』
ふふっ…と笑う雫を強く抱き締める。
そういう事だったのか…
本当に俺は愚かだな。