第1章 群青色の恋(冨岡義勇)
「雫、これからの事だが…
すっかり体調も良くなったように見えるし、いつまでも一般人であるお前を藤の花の家に置くわけにもいかない。
俺の屋敷に来ないか?屋敷の事や身の回りの事を頼みたい。
お前が嫌じゃなければだが…」
『義勇様のお屋敷に…?っ…良いのですか?』
雫は目を輝かせながら言った。
「あぁ…幸い仕事はたくさんある。」
普段は隠が屋敷を出入りし、身の回りの事には正直困っていないが、何か探せばきっと…
"義勇はもっと…心で感じたままに行動していいと思うよ。"
「…………」
いや…違うな。
「そうじゃない…」
『ぇ……?』
「俺が…お前とずっと一緒にいたいんだ。
お前が他の男の世話をする事など考えたくないし、藤の花の家に、これ以上いてほしくないのは…俺が嫌だからだ。雫…」
雫を起こすと、座ったまましっかりと目を見つめて言った。
「俺と…夫婦になってはくれないだろうか。」
『…っ……』
手で口を隠し、信じられないと言わんばかりの驚いた顔でこちらを見ている。
「…返事は勿論、今じゃなくても構わない。
待っている…お前が」『はい…』
『喜んで、お受けいたします。義勇様…
私も義勇様が…大好きです。』
涙を溜め、ニコリと笑う雫を引き寄せ、抱きしめた。
「そうか…
では明日早速、女将に伝えよう。」
『はい…』
「雫…」
『はい…』
「今日はその…もう…」
『……?』
「…っ…いや、いい…
忘れてくれ…」
ふふっ、と笑うと、頬に口づけをしてくれた雫。
『私も…
同じ気持ちです…義勇様…』
俺は再び雫を組み敷いて口づけると、寝間着を開いた。