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《冨岡夢》恋い、慕う[鬼滅の刃]

第5章 呼吸




…え、凄くない?私。




絶対硬いであろう岩を刀で斬っちゃった…。





本当に……私が斬ったんだよね!?






凄くない!?!?




斬った岩を眺めながら自画自賛し
刀を鞘に収めて、真っ二つになっている岩を見てニヤニヤしていた私だけど…




背後から視線を感じ、振り返ると
冨岡さんは驚きながら私を見つめていて…

…彼を見た瞬間、私はすぐに我に帰った。






『あぁぁぁ!!!!すみません冨岡さん!!
庭の岩を勝手に斬っちゃって…!!
す、すみません…!!本当にすみません!!』



何をやってんの私は…!!


人様の家の物を勝手に刀で斬って喜ぶとか
無礼極まりないでしょ…。



これって…
器物損壊罪…に、なるよね…?


普通に犯罪行為だよね…?



どうしよう…!!

この時代の法律までは分からないし
何か罰を受けて…刑に処されるのかな…?




嫌な考えばっかり頭の中に思い浮かんで
私は冨岡さんの元に慌てて駆け寄って
ひたすら何度も頭をペコペコと下げ続けた。






「…、少し落ち着け」

『いや、でも…』

「謝罪はもういいから、一度座れ。」

『…、はい…』




言われた通り、私は先程と同じところに座り
冨岡さんが話し出す前に、改めてまた謝罪をした。





『あの…、本当にごめんなさい…、
岩の代金は…その…弁償します…』


「必要ない。岩など近くの森か山にでも行って拾ってくる。お前が斬った岩も拾い物だ。」


『そ、そうでしたか…』





よかった…

とりあえず罪に問われることはないみたい。



弁償もしなくて済むことに安心した私は
安堵のため息をホッと吐いた。





「お前は変わった奴だな…、
岩を弁償する、などと言われたのは初めてだ。」

『だって…、私がいた時代では
人の所有物を壊すのは犯罪なんですよ…?』

「そうなのか?
随分厳しい世の中に変化していくんだな。」




本当にその通りだと思う。




暮らしやすい世の中になったとは思うけど
法律や規則などのルールは
この時代とは比べ物にならないほど厳しいから。




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