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《冨岡夢》恋い、慕う[鬼滅の刃]

第5章 呼吸




「…、まだ時間に余裕があるならばついて来い。」

『えっ…?は、はい…。』



…今度はどこに行く気なんだろう。



冨岡さんって、話し出す前から行動に出てて戸惑うんだよね…。




そんな文句を言えるわけないから
私は冨岡さんの後ろを黙ったままついて行き
通路を進み続けると、


道場のような雰囲気の部屋に到着し
さっきまでのような畳ではなく、キレイな床が張られた場所だった。


壁の一箇所には神棚が祀られていて
きっとここは…冨岡さんが鍛錬をする為の部屋なんだろう。






「…これを持て。」

『わっ…!』




急に投げ渡されたのは木刀で
冨岡さんも同じような木刀を手に取って
私に向き直った。




「俺は今日、夜まで時間を持て余している…
いい機会だ、お前に稽古をつけてやる。」


『えっ…、い、いいんですか…?』


「お前がどれほど強くなったのか興味がある。
…遠慮なく打ち込んで来い。」





えぇぇ……本当にいいのかな……



でも、多忙な柱である冨岡さんに稽古をつけてもらえるのは、正直に言うと嬉しい。




木刀を構えているだけで、この人が強いのは分かる…



格上の人に稽古をつけてもらうことは
自分の強さを上げる為の近道だから。



でも…


水の呼吸を極めている冨岡さんに
私の技なんか何一つ通じないんじゃ…?





「…心配せずとも、水の呼吸は使わない。」

『!?なんで考えてる事分かったんですか!?』

「不安が全て顔に出ている。
思考を悟られない訓練も必要のようだな。」

『うぅ…』





…ポーカーフェイスも頑張って身につけよう。





そう決心した私は
冨岡さんと同じように木刀を構えた。






『…宜しくお願いします。』

「…、来い。」





冨岡さん相手に、私の力がどこまで通用するのか…



この人に勝てるとは思わないけど
私は全力で木刀を打ち込んでいった。






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