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《冨岡夢》恋い、慕う[鬼滅の刃]

第5章 呼吸




「それより、今日はどうしたんだ。
俺に何か用か?」


『は、はい…!えっと…
この前私が倒れた時、冨岡さんにもご迷惑をかけちゃったので……今日はその時のお詫びに伺いました。』




謝罪の言葉を伝えて頭を下げると
すぐに「顔を上げろ」って言われてしまった。





「俺は別に怒っていない。だから謝らなくていい。」

『いえ、そういう訳には…』

「悪い事をしたと反省しているのなら
2度と同じ過ちを繰り返さなければいい。」

『はい…。以後気をつけます…。
それと…あの……、
アオイちゃんから聞いたんですけど…
私が倒れた時…、冨岡さんが部屋に運んでくれたそうですが…』


「…あぁ、そういえばそうだったな。」




…やっぱり本当のことだったんだ!!?





そんな面倒くさい事をさせて申し訳なくて
私はさっきよりも深く頭を下げて、謝罪の意を表した。






『すみませんでした…!!
柱である冨岡さんにそんな事をさせてしまって…
本当にごめんなさい!!』


「別に苦ではなかった、気にするな。」


『いやいや!気にしますよ!!私、重かったですよね!?』


「何を言っている…、軽過ぎて驚いたくらいだ。」


『そんなわけないじゃないですか!!
嘘つかなくていいですって…』


「嘘ではない。お前と初めて会った時
屋敷へ運んだ時も軽いと思ったが、また更に軽くなっていたからな。」


『っ!?!?』




え、何でそんな事分かるの…!?


確かに鍛錬を厳しくするようになって
ご飯も抜くことがあったせいで
少し体重は落ちていたけど……



柱の人は抱っこするだけで、そんな些細な事にも気付けるほど凄いの!?!?






「推定だが、お前の体重はおよそ…」

『や、やめて下さい!!
言わなくていいですから!!恥ずかしいです!!』





男の人に体重を知られて
直接口から数字を出されたら……


間違いなく、恥ずか死ぬ。





「…。体重を知られると、女は恥ずかしいのか?」

『当たり前じゃないですか…。
女の人なら皆んなそうですよ…』

「そうか…、覚えておこう。」




…どうやらこの時代の男性は
デリカシーに欠けているらしい。


全員がそうだとは言い切れないけど
目の前にいる冨岡さんは、確実にそうだ。







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