第4章 決断
『し、のぶ、ちゃ……、ち、ちが、うの…』
「!!っ、さん…!」
薄らと目を開けていたは
駆け寄った胡蝶の羽織の袖を掴み
震える唇を無理に開き、言葉を発した。
『とみおかさんは…、わ、わるく、ない…の…』
「っ…」
「さん…?」
『わ、たし…が……未熟、だからっ…
わたしの…せ、い……なの……。
だからっ…それ、以上…
冨岡、さん…を………
責め、ない…で……?お願、い……』
「……。」
なぜお前は
上手く舌が回らない程、熱で苦しんでいるというのに……
俺の事を庇っているんだ…
胡蝶が言うように、
お前が時代の変化に順応する為、努力していたにも関わらず、追い討ちをかけるように
鬼殺隊へ勧誘した俺を…
どうして何も責めないんだ…。
こいつの言葉を聞き、己に苛立った俺は
無意識にギリギリと力強く、拳を握りしめた。
「…、すまなかった…
お前の気持ちを…俺は何も…理解しようとしていなかった…」
『…と、みおか、さん……』
俯きながら謝罪を述べると
は弱々しい声で俺の名を呼び
ゆっくりと顔を上げた瞬間、
と視線が交わい
そのまま視線を逸らさずに見つめていると
彼女は優しく笑い、俺に力ない笑顔を見せた。
『あ、やまら…ないで、くださ……
わた、し……鬼殺隊、に…誘って、もらえ…て…
すご、く……うれしかっ…た…です…』
…微笑みながらそのように言われると
俺の心臓はドクン、と大きな音を立て
脈が少しずつ早くなっていった。
……、何なんだ…この胸の高鳴りは…。
初めて山で出会った時のように
心拍がとてつもなく早い…
この心音がと胡蝶に聞こえてしまいそうで
戸惑いながら気を落ち着かせていると
胡蝶はの頬に優しく手を添えた。