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《冨岡夢》恋い、慕う[鬼滅の刃]

第4章 決断




「さんが
このような状態になるまで無理をしていたのは…
冨岡さん、貴方が彼女と話をしたあの日からです。
一体、さんに何を言ったんです?」



「…鬼殺隊に入隊するよう勧めた。」


「それだけですか?」


「後は…自分自身で決断するように、と。」


「はぁぁぁ…、そういうことでしたか…」





どうやら胡蝶には
が倒れた原因を理解したようだが…


俺にはまだ、その理由が全く分からず
何も口を開かずにいると、胡蝶は俺をキツく睨みつけてきた。





「冨岡さんはもう少し
人を気遣うということを覚えてくれませんか。」


「…どういう意味だ。」


「貴方にそんな事を言われたから
さんは私にさえ
鬼殺隊に入ることを相談しなかったんです。
自分自身で、自信を身に付け覚悟を決める為に
我武者羅になって…
さんをここまで追い込んだのは
冨岡さん…貴方のせいですよ。」



「っ…」




胡蝶にそう言われ、
あの時…俺はを鬼殺隊に勧誘した時の心情を思い返した。



別の時代からやって来たとはいえ、
剣技の才に優れ、医療の知識もあるは
鬼殺隊に向いている…


憎き鬼を滅ぼす為に、役に立つ隊士となる…



…と、ただそれだけの思いだった。




の気持ちなど気にも止めず
己の望んだことを伝えただけ…。



…俺の配慮が足りなかったせいで
を悩ませ、苦しめていたことが
この散乱した部屋が物語っている。






「…今回は大事に至りませんでしたが
もしさんが
もっと酷い状態に陥っていたら……
私は貴方を殺していましたよ。」


「っ…」




…胡蝶の言葉は決して脅しではなく
本当にそう思っているのが雰囲気からも伝わって来る。




彼女にとっては
それほど特別な存在になっているらしい…。





ずっと黙ったままでいた俺だが
誠心誠意謝罪をしようと口を開き掛けたら
布団の擦れる音が聞こえ、の小さな声が聞こえて来た。






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